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胸部レントゲン撮影での心胸比(CTR)の測定方法

こんにちは、臨床工学技士の秋元です

胸部レントゲン撮影の心胸比(CTR)は心容積と近似するので、透析患者の溢水の指標として非常によく使われます。

とくに透析患者さんのDWの決定において、最重要となる指標なのでかなり大切です。

そこで本記事では、胸部レントゲン撮影での心胸比(CTR)の測定方法を解説したいと思います。

胸部レントゲン撮影での心胸比(CTR)とは

出典:レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室 第2版 P79

心胸比とは、心臓の最大幅(図の赤矢印)を胸郭の最大幅(図の黒矢印)で割ったものです。

引用:レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室 第2版 P79

上記のとおり、心胸比(CTR:cardiothoracic ratio)とは、胸郭の最大幅に対して、心臓の最大幅がどれくらいかをパーセント(%)で表したもので、心胸比(CTR)は心臓の大きさの指標となります。

完全吸気状態のPA像で撮影した胸部レントゲン写真の場合、正常な心臓の多くは、心胸比(CTR)は50%未満となります。50%以上であった場合、「心拡大」と判定されますが、その人の過去のレントゲン写真と比較してどうなのかをみることが重要です。

心胸比(CTR)の測定方法

出典:トーアエイヨー 医療関係者向け情報 心胸[郭]比〈cardiothoracic ratio;CTR〉

心胸比(CTR)は、上の図に基づいて、測定することができます。

具体的な測定方法は以下のとおりです。

  • 手順①:胸部レントゲン写真の中心線上から心右縁までの最大幅を測定する。
  • 手順②:胸部レントゲン写真の中心線上から心左縁までの最大幅を測定する。
  • 手順③:手順①と手順②で求めた数値を足し、これを心陰影の最大横径とする。
  • 手順④:胸郭の最大幅を測定し、これを胸郭内部の最大横径とする。
  • 手順⑤:手順③と手順④で求めた心陰影の最大横径と胸郭内部の最大横径から、胸郭の最大幅に対して、心陰影の最大幅どれくらいかをパーセント(%)で計算する。

参考:大学生における心胸比と身長・体重・血圧・脈拍との関連

心胸比は、計算式をみてわかる通り、体格を考慮して計算しています。ですので、ぱっと見、心臓が大きい印象だったとしも、胸郭の幅が大きいと心胸比(CTR)の値はそれほど大きくはなりません。

経験上、肥満体型の人では心胸比(CTR)は大きく、痩せ型では心胸比(CTR)は小さくなる傾向にあります。
(肥満体型の人の場合、横隔膜が上昇し、心臓が横位をとるため心陰影が大きくなります。)

また、撮影時に吸気が不十分だと、胸郭が小さくなり心胸比(CTR)が大きめになったり、横隔膜が上に上がって心臓が全体的に押されて心陰影が大きくなります。

 

というわけで今回は以上です。

 

胸部レントゲンでの胸水の見方は下記の記事で解説していますので併せてごらんください。

胸部レントゲンでの胸水の見方【仰臥位、立位、座位】

 

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