透析で出血傾向のある患者に低分子ヘパリン(LMWH)を使う理由

低分子ヘパリン(LMWH:low molecular weight heparin)は、ヘパリンを酵素的、あるいは化学処理した後、ゲルろ過してえられる分子量1,000~10,000(平均分子量:4,000~5,000)の分画です。

血液透析では、軽度の出血傾向のある人などに、この低分子ヘパリン(LMWH)はよく使われています。

本記事では、そんな低分子ヘパリン(LMWH)がどうして軽度の出血傾向のある人に使うのか、その理由を解説します。

出血傾向のある患者に低分子ヘパリンを使う理由

低分子ヘパリン(LMWH)は、未分画ヘパリン(UFH)に比べて、Ⅱaを抑制する作用は小さいですが、Xaを抑制する作用は強いです(1)。

つまり、低分子ヘパリン(LMWH)の抗凝固作用は、主にXaの抑制作用です。

※ 体外循環回路の抗凝固作用は、Xaの抑制作用に依存していることが知られています。

また、Ⅱaを抑制する作用が小さいため、血液本来の凝固能の低下が少ないです。
ですので、低分子ヘパリンと未分画ヘパリンで、同一のXa抑制作用を示した場合、APTTの延長時間が低分子ヘパリンのほうが短くなります。
(一般に低分子ヘパリンはAPTTを延長させないといわれています。)

※ APTTが延長しすぎてるということは、出血の副作用が起きやすいということを意味しています。

以上のことをまとめると、低分子ヘパリン(LMWH)は、回路内での抗凝固作用をしっかりと発揮しつつ(Xaの抑制作用が強く)、にもかかわらず血液本来の凝固能の低下が少ないため(APTTを延長させないので)、出血を助長する危険性が少ないということです。

 

というわけで今回は以上です。

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