こんにちは、臨床工学技士の秋元麻耶です。
本記事では、医療の現場でよく使われる「PTA」という用語の意味について解説しています。
目次
医療で使われるPTAの意味とは?
PTA(percutaneous transluminal angioplasty)経皮的血管形成術とは、心血管以外の、脳血管、頸動脈、末梢血管などの狭窄部を、バルーンカテーテルを膨らませる事により、狭窄の程度を軽減する治療法です。
医療で使われるPTAは日本語で経皮的血管形成術といいます。
英語では、Percutaneous Transluminal Angioplastyといいます(1)。
- Percutaneous:経皮的な
(パーキュティーニアス) - Transluminal:経管的な
(トゥレンスルミナル) - Angioplasty:血管形成術
(アンジオパスティ)
PTAの具体的な意味としては、狭くなった末梢血管に対して、経皮的に正常に近づける血管内治療の総称のことです。
場合によっては、PTA後の再狭窄を防ぐために、ステントが留置されることもあります。
医療現場でよくPTAが使われるシーン
PTAという用語が実際に医療の現場で使われるのは、主に以下の2つのシーンです。
- 末梢動脈疾患(PAD)に対して
- 透析用バスキュラーアクセスの狭窄に対して
末梢動脈疾患(PAD)に対するPTA
下肢の動脈病変に対してPTAをおこなうことが多いです。
透析用バスキュラーアクセスの狭窄に対するPTA
引用:綿秀会,経皮的血管形成術 percutaneous transluminal angioplasty
透析で使うバスキュラーアクセスの狭窄に対してPTAをおこないます。
バスキュラーアクセスのトラブルの原因は主に狭窄です。これに対する治療として、2005年のガイドライン作成後、PTA(経皮的血管形成術)が、バスキュラーアクセスの狭窄の第一選択の治療法となりました。
具体的なシャントPTAの流れ
- 血管を穿刺してシースという管を留置します。
- シースから、ガイドワイヤーを狭窄部位まで通します。
(シースとは、治療用のカテーテルを出し入れするための管のことです。) - ガイドワイヤーに沿ってバルーンカテーテル(先端に風船がついている)を狭窄部位まで進めます。
- 狭窄箇所でバルーンを拡張させて内側から広げます。
(バルーンの加圧時間は通常60秒ほどです。) - 十分に血管が拡張したことを確認して、バルーンカテーテルを回収します。
(十分に拡張していなければ同様の手技を繰り返します。)
シャントPTAは手技時間が短く(30分~1時間)、治療直後から透析をおこなうことも可能です。
エコー下シャントPTA
以前までシャントPTAは、造影剤を用いた治療のみでした。しかし最近では、超音波を使ったエコー下でのシャントPTAが主流となってきています。
エコー下でのシャントPTAのメリットとしては、以下の4つがあります。
- メリット①:造影剤を使用しない
- メリット②:被爆がない
- メリット③:三次元での評価が可能
- メリット④:局所の詳細な観察が可能
というわけで今回は以上です。
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