こんにちは、臨床工学技士の秋元麻耶です。
「サラダ油って、そういえば原料ってなに?定義とかあるの?」「そもそも、なんでサラダ油って呼ぶの?」
本記事ではこの疑問に答えます。
できるだけ正確かつ詳しいサラダ油についての情報をわかりやすく解説しましたので、ぜひご覧ください。
目次
サラダ油の原料は?なにからできているの?
- ごま
- 米
(もしくはこめと表記) - 紅花
(もしくはサフラワーと表記) - 大豆
- とうもろこし
- 菜種
(もしくはなたねと表記) - ひまわり
- 綿実
- グレープシード
(もしくはぶどうと表記)
一言でいってしまえば、サラダ油とは、JAS(日本農林規格)で定められた原料と規格を満たしている「とくに精製度が高い植物油」のことです。ただし、2種類以上の原料を混ぜたものは調合サラダ油と呼ばれて「サラダ油」とは呼ばれません。
例えば、オリーブオイルのサラダ油というのは存在しません。
ただ、これだけではいまいちピンとこないと思いますので、もう少し詳しく、かつわかりやすく解説したいと思います。
JAS(日本農林規格)で定められているサラダ油の原料
(適用の範囲)
第1条 この規格は、食用サフラワー油、食用ぶどう油、食用大豆油、食用ひまわり油、食用とうも
ろこし油、食用綿実油、食用ごま油、食用なたね油、食用こめ油、食用落花生油、食用オリーブ油
、食用パーム油、食用パームオレイン、食用パームステアリン、食用パーム核油、食用やし油、食
用調合油及び香味食用油に適用する。
食用植物油脂は、上記の16種類の油脂、それらの油脂を調合した製品、油脂に風味付けした香味食用油の18種類にJAS規格が定められています。
これらの食用植物油脂の一部のものが、ある一定の基準を満たすことで「ひまわりサラダ油」「とうもろこしサラダ油」「なたねサラダ油」などという風に「サラダ油」の名称をつけることができます。
- ごま
- 米
(もしくはこめ) - 紅花
(もしくはサフラワー) - 大豆
- とうもろこし
- 菜種
(もしくはなたね) - ひまわり
- 綿実
- グレープシード
(もしくはぶどう)
JAS(日本農林規格)で定められている食用植物油脂の等級
JASで定められている上記の表の食用植物油脂の一部のものに、ある一定の基準を満たすことで「ひまわりサラダ油」「とうもろこしサラダ油」「なたねサラダ油」などという風に「サラダ油」の名称をつけることができます。
上の表で、右にいくほどより精製度が高くなり、低温下でも濁ったり、固化したりすることのないサラサラ感のある油となります。
具体的に、JASでは製品の特性をあらわすものとして「比重」「屈折率」「けん化価」「よう素価」などがあります。製品の品質を表すものとして「一般状態(清澄度・風味・異物混入)」、「色」、「水分及びきょう雜物」、「冷却試験」、「酸価」、「不けん化物」 等があります(下の表をご覧ください)。
一部引用:公益社団法人 日本油脂検査協会
ようするにサラダ油というのは、JASで定められている植物を原料とし、かつJAS規格で定められた製品の特性を満たすものにつけられる名称です。
さらに詳しいものは下記の表になります(食用なたね油のJAS規格によるなたねサラダ油の基準)。
一部引用:農林水産省 食用植物油脂の日本農林規格
よく一般的にいわれているサラダ油の基準として「低温で白濁しない(0℃を5.5時間保持しても白濁しない:凍結固化しない)」というのは、下記の冷却試験によっています。
一部引用:農林水産省 食用植物油脂の日本農林規格
まとめ:サラダ油とは
- JASで定められている原料を使用
- JAS規格で定められている基準をクリア
上記2つを満たすことが必要
ここまでの内容をまとめますと、サラダ油とはJAS(日本農林規格)で定められている原料を使い、ある一定のJAS規格を満たしたもののことだということです。
そして、サラダ油の原料となるものは以下の9種類です。ただし、2種類以上の原料を混ぜたものは調合サラダ油と呼ばれて「サラダ油」とは呼ばれません。
- ごま
- 米
(もしくはこめ) - 紅花
(もしくはサフラワー) - 大豆
- とうもろこし
- 菜種
(もしくはなたね) - ひまわり
- 綿実
- グレープシード
(もしくはぶどう)
なぜ、サラダ油と呼ばれているの?
ここまででサラダ油の原料と定義はわかったと思います。しかし、ここで一つ疑問がわくと思います。
「なぜ、サラダ油って呼ぶの?」
ここまでで説明したように、別にサラダから油をとっているわけではありません。
日清サラダ油というブランド名が名前の由来
サラダ油という名前は、大正13年(1924年)に日清オイリオ(当時は日清製油株式会社)が、『日清サラダ油』というブランド名で発売したものが、一番はじめになります。
当時の西洋では、食用の油に塩や酢を加えてドレッシングのようにして生野菜にかけて食べていました。サラダ油というのは、こんな感じでサラダ料理などに生でかけて使用できる食用油という意味です。
この食文化が日本にも伝わってきて「我が国でもサラダにかけて使える食用油を作ろう!」ということで開発したものが、『日清サラダ油』です(当時の日本は揚げ物くらいでしか油を使っていませんでした)。
つまり、『サラダ油』という名前の由来は、生のサラダにかけて使うための食用油だから、ってことです。
サラダ油という名称は、実は日本発祥です。
サラダ油の特徴
サラダ油は元々は、生のサラダにかけることを目的として開発された油です。
このサラダ油を開発したのが、さきほどもいったように日清オイリオです。
日清オイリオは、油の精製度を高めることで、冷やしても白濁しない良質の油の開発に成功しました。そして、1924年に、サラダ用として『日清サラダ油』という商品名で発売しました。
ですので、サラダ油の特徴として、低温でも濁ったり固まったりしないということが条件としてよくいわれています。そのために、本来の油に含まれている「天然の蝋(ろう)」(低温で固まる成分)が取り除かれています。このサラダ油の特徴があるので、冷蔵庫にいれるドレッシングに使えたりします。
現在では、この「日清サラダ油」が一般名称化し、今ではいろんなメーカーから商品が発売されています。
というわけで今回は以上です。
サラダ油の原料と、サラダ油のJAS(日本農林規格)による定義、名前の由来や一般的な特徴についてまとめてみました。少しでも参考になれば幸いです。
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