カルシウムとは?【体内での役割ではカルシウムイオンが特に重要です】

こんにちは、臨床工学技士の秋元麻耶です

本記事では、カルシウムとはいったいなんなのか?

そして、体内でのカルシウムの役割についてわかりやすく解説しています。

カルシウムとは?

カルシウムとは

  • 原子番号:20
  • 元素記号:Ca
  • アルカリ土類金属(Ca,Sr.Ba,Ra)の一つ

カルシウムとは、皆さんご存知のように、骨や歯の材料となるものです。しかし、それだけではありません。

カルシウムとは、わたしたちの身体になくてはならないミネラルで、非常に重要な役割があります。

このカルシウムは、私たちの体重の1~2%を占めていて、体重60kgの人だと約1kgにもなります。ですので、私たちの体内でもっとも量が多いミネラルです。

ですので、カルシウムといえば「骨!」というイメージが強いかもしれませんが、実は骨以外にあるカルシウムの役割が特に重要で、後述しますが、筋肉の収縮や細胞の活動、血液凝固など、非常に大切な役割をしています。

どちらかというと骨は、血中のカルシウムが不足することがないようにするための備蓄庫としての役割のほうが重要かもしれません。

水素、炭素、酸素、窒素を除いたものをミネラルといいます。そして、地球上には約100種類のミネラルがあるといわれていますが、私たちの身体の中に存在し、栄養素として欠かせないミネラルは16種類(ナトリウム、マグネシウム、リン、イオウ、塩素、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、ヨウ素)あります。

体内にあるカルシウムの量と分布

体内にあるカルシウムの量と分布

  • 骨:197,000(μg/g)
  • 腎臓:180(μg/g)
  • 脳:150(μg/g)
  • 筋肉:70(μg/g)
  • 心臓:70(μg/g)
  • 血清:94(μg/mL)

引用:糸川嘉則「カルシウム、マグネシウムの生体中での挙動」

カルシウムは体重の1~2%(約1kg)を占め、私たちの身体の中でもっとも多いミネラルです。

このうちの大半(99%以上)は骨と歯の成分となっていて、体内のカルシウム分布は上記のようになります。残り1%のほとんど(約10g)は、細胞内に存在し、細胞外液中(血漿+組織間液)に存在するのは全体の約0.1%です。

μg/gという単位は1gあたりにふくまれる物質の質量を100万分の1gの単位(μg)で表したものです。

血清中のカルシウムの濃度

  • 血清カルシウムの基準値:8.8~10.1 mg/dL

参考:日本臨床検査標準協議会(JCCLS)基準範囲共用化委員会

血清中のカルシウムの基準値は8.8~10.1 mg/dLです。

ただし、低アルブミン血症の場合(血清アルブミン値が4.0 g/dL以下の場合)、真の値よりも見かけ上、血清カルシウムが低くなることがあるので、以下の補正式を用いてください。

  • 補正カルシウム濃度(mg/dL)=実測カルシウム濃度(mg/dL)+4-Alb(g/dL)

カルシウムの基準値については下記の記事で解説しています。

血清カルシウム(Ca)の基準値はなに?わかりやすく解説してみた

血清中のカルシウムの状態

血清カルシウムは3つの形態で存在し、イオン化したもの(50%)、小分子陰イオンにキレートされたもの(10%)、タンパク質(多くがアルブミン)と結合しているものである。

引用:井澤純一,金城紀与史,電解質(カルシウム,マグネシウム,リン)異常の原因,症状

血清中のカルシウムの約50%はカルシウムイオン(Ca2+として存在しています。残りの約50%は結合型カルシウムとして存在しています。

そして、普段の血液検査の採血で測定している血清カルシウム濃度は、上記3つをあわせたものになります。

ちなみに、これらの3つのカルシウムの形態の中で生理的に活性をもつのは、カルシウムイオン(Ca2+だけです。そして、血液中のカルシウムイオン(Ca2+濃度は約5mg/dLで維持されています。

なので、本当はカルシウムイオン(Ca2+だけを測定できればよいのですが、総カルシウム濃度は生化学用のスピッツで他の項目と一緒に測定できるため、総カルシウム濃度を測定しています。

そして、これから解説するカルシウムの体内での役割で重要なのは、カルシウムイオン(Ca2+です。

カルシウムイオンが体内での役割に特に重要

体液中のカルシウムイオンの濃度(mEq/L)

  • 細胞内液のカルシウムイオンの濃度:0.001 mEq/L未満
  • 血清のカルシウムイオンの濃度:4.3~5.1 mEq/L
  • 組織間液のカルシウムイオンの濃度:4.6 mEq/L

参考:系統看護学講座 専門基礎 生化学 人体の構造と機能②,p76

体内のカルシウムの99%以上は骨にあります。そして骨以外、つまり体液中でのカルシウムの分布は、残り1%のほとんど(約10g)は細胞内に、ほんのわずかの0.1%(約1g)ほどが細胞外液中(血漿+組織間液)にあります。

体液は、細胞膜を介して「細胞内液」と「細胞外液」に大別されます。さらに、「細胞外液」は毛細血管壁を介して「組織間液」と「血漿(けっしょう)」に分けられます。

上記での細胞内液のカルシウムイオン(Ca2+の濃度が0.001 mEq/L未満と極端に低いのは、細胞内のミトコンドリアや小胞体といった細胞内器官にカルシウムが取り込まれているためです。

細胞内液のカルシウムイオン(Ca2+の濃度は、通常、細胞外液のわずか一万分の一程度に保たれています。そして、細胞内器官の小胞体の中にはカルシウムが蓄えられており(サイトゾルと比較して1万倍もの高濃度のカルシウムです)、細胞内のカルシウムイオン(Ca2+の濃度の調節にかかわっています。
サイトゾル:細胞内の細胞質から、核、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体などの細胞内小器官を除いた部分のこと。細胞質ゾルともいいいます。

そして、体内での重要な役割を担っているカルシウムは、この細胞内液と細胞外液に存在するカルシウムイオン(Ca2+です。

カルシウムイオンの体内での役割

体液中のカルシウムイオンの濃度(mEq/L)

  • 細胞内液のカルシウムイオンの濃度:0.001 mEq/L未満
  • 血清のカルシウムイオンの濃度:4.3~5.1 mEq/L
  • 組織間液のカルシウムイオンの濃度:4.6 mEq/L

参考:系統看護学講座 専門基礎 生化学 人体の構造と機能②,p76

細胞に様々な刺激が加わると、細胞内のカルシウムイオン(Ca2+濃度は急激に増加し、これが引き金となって、筋収縮、細胞分化・細胞増殖・細胞死、神経伝達物質の放出、遺伝子発現など様々な細胞の活動にかかわっています。

また、血液の凝固に必要だったり(カルシウムイオンは血液凝固因子の一つ)、金属酵素の一種としてカルシウムイオンを必要とする酵素(α-アミラーゼなど)があります。

この細胞内のカルシウムイオン(Ca2+濃度の変化は、①細胞外からのカルシウムの流入や流出、②細胞内の小胞体などからの分泌や取り込み、③カルシウム結合タンパクの結合や放出によって決まります。

このように、骨以外にあるほんのわずかなカルシウムは非常に重要な役割をもっているため、カルシウムの摂取量が減ってしまうと、血液中のカルシウムの濃度を上げるため、骨を溶かしてしまいます。逆にいえば、健康な骨を維持するために、しっかりと食事からカルシウムを摂取することが大切となります。

カルシウムを多く含む食べ物

カルシウムを多く含む食べ物

  • 牛乳200mL
  • ヨーグルト
  • 丸干しイワシ
  • 木綿豆腐
  • 小松菜
  • ほうれん草

カルシウムは、小魚、牛乳・乳製品、海藻類、一部の緑黄色野菜、大豆製品などに多く含まれています。

カルシウムのサプリメント

カルシウムのサプリメントは心臓発作のリスクを高めるという研究もあります(1)。

ですので、カルシウムに関してはサプリで補給するよりも食品から摂ったほうがよさげです。

骨を強くする方法

骨を強くするためにカルシウムをたくさんとればいいと思っている人もいると思いますが、カルシウムのサプリは心臓発作のリスクを高めるという研究データもありますし、食品からカルシウムを過剰に摂取したとしても骨は強くなりません。

ですので、カルシウムの摂取に関しては過剰摂取にならない程度に、食品から1日600mg~800mg程度を目安にとりましょう。

年齢・性別によりやや異なりますが、1日に望ましいとされているカルシウム推奨量は男性(18歳~70歳)で650mg~800mg、女性(18歳~70歳)で650mgとされています。
日本人の食事摂取基準 2015年版 より)

その他に、骨を強くする方法として

  1. 運動や筋トレをする
  2. ビタミンDの補充
    →活性型ビタミンDの働きによって、カルシウムの小腸からの吸収が促進されます。
  3. 日光にあたる
    →皮膚でビタミンDがつくられます。
  4. ビタミンKの補充
  5. マグネシウムの補充

などがあります。

やみくもにカルシウムをとりまくれば骨が強くなるというほど単純なはなしではありませんのでその点だけは気を付けてください。

ちなみに、わたくしはビタミンD、ビタミンK、マグネシウムはサプリメントで補給しております。

まとめ:カルシウムとは?【骨以外のカルシウムの役割が特に重要】

体液中のカルシウムイオンの濃度(mEq/L)

  • 細胞内液のカルシウムイオンの濃度:0.001 mEq/L未満
  • 血清のカルシウムイオンの濃度:4.3~5.1 mEq/L
  • 組織間液のカルシウムイオンの濃度:4.6 mEq/L

参考:系統看護学講座 専門基礎 生化学 人体の構造と機能②,p76

カルシウムとは、わたしたちの身体になくてはならないミネラルで、非常に重要な役割があります。

このカルシウムは骨や歯にほとんど(99%以上)が含まれています。そして、残り1%のほとんど(約10g)は細胞内に、ほんのわずかの0.1%(約1g)ほどが細胞外液中(血漿+組織間液)にあります。

しかし、このわずか1%に存在するカルシウムの方が非常に重要で、むしろ骨はこの1%のカルシウムを維持するための備蓄庫としての役割のほうが重要です。

その重要なカルシウムの働きのメカニズムは、細胞内のカルシウムイオン(Ca2+濃度は急激な変化に起因し、これが引き金となって、筋収縮、細胞分化・細胞増殖・細胞死、神経伝達物質の放出、遺伝子発現など様々な細胞の活動にかかわっています。

また、血液の凝固に必要だったり(カルシウムイオンは血液凝固因子の一つ)、金属酵素の一種としてカルシウムイオンを必要とする酵素(α-アミラーゼなど)があります。

 

 

 

というわけで今回は以上です。

 

 

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