【DMN】デフォルトモードネットワークとは?その役割や効果をわかりやすく説明してみた

こんにちは、臨床工学技士の秋元麻耶です。

仕事や勉強に集中しているときよりも、実は人間の脳というのは「ボーっとしているときや何も考えていないとき」のほうがエネルギーを多く使っています。一説では15倍もエネルギーを使っているといわれています。

この「ボーっとしてるときや何も考えてないとき」に活性化する脳のネットワークのことをデフォルトモードネットワーク(DMN)といいます。

本記事では、そんなデフォルドモードネットワーク(DMN)について、図を多用してわかりやすく解説しています。

デフォルドモードネットワークとはいったい何なの?脳のどこの部位にあるものなの?といって疑問にもお答えします。

【DMN】デフォルトモードネットワークとは?

脳の構造

引用:Wikipedia「脳」

 一方,2005年頃より,安静時の脳活動についての研究が盛んに行われ,何もしていない安静状態であっても複数の脳部位が同期して活動していることが明らかになった。安静状態において同期した活動を示す脳部位は「安静時ネットワーク(resting-state network:RSN)」と呼ばれ,主に8つのRSNが存在することはよく知られている3)。そのうち,デフォルトモードネットワーク(default mode network:DMN)とサリエンスネットワーク(salience network:SN)はCMSを構成する脳部位が中心的な役割を担い,その異常は認知症をはじめとする精神・神経疾患と関連するとの報告が数多くなされている3)

引用:寒重之,宮内哲,Cortical Midline Structures「自己」と「痛み」,BRAIN and NERVE 70巻 3号 2018年 3月

デフォルトモードネットワークとは、安静状態で同期的な活動を示す脳のネットワークの1つです。

例えば、寝ているときやボーっとしているときに、デフォルトモードネットワーク(DMN)は活性化します。

友達としゃべったり、勉強に集中したり、スマホをチェックしているときにはデフォルドモードネットワーク(DMN)は活性化しません。

このデフォルトモードネットワーク(DMN)が活性化することで、情報を整理したり、ストレスや疲労に強くなるといわれています。

なお、デフォルトには「初期設定」とか、そういう意味があります。

ですので、デフォルトモードネットワーク(DMN)とは、何もしていないときに働く脳のネットワークだと理解すればよいかと思います。

冒頭でも少し話しましたが、人間の脳は仕事や勉強に集中しているときよりも、ボーっとしていたりとか何も考えていないときのほうがエネルギーを消費しています。一説では15倍ものエネルギーを消費しているといわれています。

デフォルトモードネットワーク(DMN)に関わる脳の部位

DMN は通常,内側前頭前野(MPFC),後部帯状回/楔前部(PCC/Precuneus),下部頭頂葉(IPL),外側側頭葉(Lateral Temporal Cortex,LTC),そして海馬体(Hippocampal Formation,HF)を含むとされる (e.g., Buckner et al., 2008)。

引用:Functional heterogeneity of the Default Mode Network

デフォルトモードネットワーク(DMN)に関わる脳の部位は「内側前頭前野」「後部帯状回」「契前部」「下部頭頂葉」「外側頭頂葉」「海馬体」です。

このうち、デフォルトモードネットワーク(DMN)でとくに重要となる脳の部位は「内側前頭前野」と「後部帯状回」です。

しかしこれだけだと、なんのことだかわからないと思うので、脳の構造から順を追って説明していきます。

デフォルトモードネットワーク(DMN)は、ワシントン大学のM・E・レイクル教授によって名づけられました。
レイクル教授によると、仕事をしたり勉強をしたりといった意識的な活動をしているときに消費するエネルギー量は、脳全体の5%程度。
残りの95%のうち、20%は脳細胞のメンテナンス、75%はボーっとしているときの活動にあてられているそうです。

脳の構造

脳の構造

  1. 大脳 → ここにデフォルトネットワークモード(DMN)があります。
  2. 間脳
  3. 脳幹
  4. 小脳

まず、脳の構造について解説します。

脳の構造は大きく上記の4つに分けることができます。

脳のうち、脳幹や間脳は起源が古いです。
大脳は哺乳類が誕生してから進化した比較的新しい脳です。
とくに人間では大脳の表面にある大脳皮質が発達しています。

デフォルトモードネットワーク(DMN)で活性化する脳の部位【大脳にあります】

デフォルトモードネットワーク(DMN)で重要な脳の部位

  1. 内側前頭前野
    → 前頭葉の一部分にあります。
  2. 後部帯状回
    → 大脳皮質の内側の部分にあります。

デフォルトモードネットワーク(DMN)と呼ばれる脳のネットワークで中心的な脳の部位は、大脳にある「内側前頭前野」と「後部帯状回」の2つです。

内側前頭前野について【大脳皮質の一部】

画像元:Wikipedia「前頭前皮質」

前頭前野とは、前頭葉の前側の領域(額の裏側)です。

前頭前野は、脳の進化の過程でもっとも最後に生まれた部分です。

内側前頭前野は、前頭前野のさらにその一部分(眼の上側)にあります。

前頭前野の役割:前頭前野には「考える、記憶する、感情をコントロールする、判断する」といった人間を知性的にする役割があります。

後部帯状回について【大脳辺縁系の一部】

画像元:Wikipedia「帯状回」

上の画像のオレンジ色の部分が帯状回です。

帯状回は大脳皮質の内側にあり「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」などに囲まれています。さらにその下の脳梁を取り囲むように、帯状回は存在しています。

このように、帯状回は大脳の一部分を占め、海馬、偏桃体などとともに大脳辺縁系とも呼ばれています。

後部帯状回は、帯状回の後頭葉側の部分のことです。
(下の画像でいうところの右半分の部分になります。)

後部帯状回の役割:後部帯状回は、長期記憶とワーキングメモリを密接に結ぶ機能を営んでいるといわれています。

デフォルトモードネットワーク(DMN)は「ボーっとしているとき」に活性化

デフォルトモードネットワーク(DMN)で重要となる脳の部位

  1. 内側前頭前野【大脳皮質の一部】
    → 前頭前野とは前頭葉の前側の領域(額の裏側)です。さらに前頭前野の眼の上側の部分を内側前頭前野といいます。
  2. 後部帯状回【大脳辺縁系の一部】
    → 帯状回は大脳の一部分を占め、海馬、偏桃体などとともに大脳辺縁系とも呼ばれています。後部帯状回は、帯状回の後頭葉側の部分のことです。

デフォルトモードネットワーク(DMN)とは、「後部帯状回」と「前頭葉内側」で構成される脳のネットワークです。

このデフォルドモードネットワーク(DMN)は、「ボーっとしているとき」に活動が高まります。

逆に、勉強や仕事など意識して何かをしているときは「後部帯状回」と「前頭葉内側」の活動は低下しています。

昔の脳科学では、計算したりとか、何かをしているときの脳の活動をメインで研究されていました。
一方、何もしていないときというのは、脳は活動を停止していて、たいした活動はしていないだろうと思われていました。

しかし最新の研究では「何もしていないとき」に「デフォルトモード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれるネットワークが活性化していることがわかっています。

むしろ、一生懸命仕事や勉強をして頭をつかっているときよりも「何もしないでボーっとしているとき」のほうが、一説では15倍以上もエネルギーを消費して脳が活動しています。

レイクル教授によると、仕事をしたり勉強をしたりといった意識的な活動をしているときに消費するエネルギー量は、脳全体の5%程度。
残りの95%のうち、20%は脳細胞のメンテナンス、75%はボーっとしているときの活動にあてられているとのことです。
つまり、何もせずにボーっとしているときというのは、仕事や勉強など意識的な活動をしているときに比べて、15倍のエネルギーが使われているということです。

つまり、ボーっとして何もしていないときというのは、脳は大量のエネルギーを使っていて、そういうわけで脳の活動的にはメインだということです。

デフォルトモードネットワーク(DMN)の3つの役割

デフォルトモードネットワーク(DMN)の役割

  1. 自己認識
    → 自分自身について考え、自分はこういう人間だと考えること
  2. 見当識
    → 自分はいま、どこで何をしているのか。自分が置かれている状況を把握すること。
  3. 記憶
    → 自分が経験したことや学んだことを整理する

そんな大量のエネルギーを投下しているデフォルトモードネットワーク(DMN)において特に重要な役割は、上記の3つに集約されます。

これだけだとイマイチよくわからないんですが、デフォルトモードネットワークにどういうメリットがあるのかをまとめている本がありましたので紹介します。

デフォルトモードネットワーク(DMN)の効果

 

  • ひらめきやアイディアが生まれやすくなる
  • 仕事の作業効率が上がる
  • 記憶力などの能力がアップ
  • 人間関係などの悩みやストレスの解消
  • 今の自分が「やるべきこと」がわかる
  • 人生や生活の軌道修正ができる

ぼんやりしているときの脳内では、次の活動のために、あちこちに散らばっている情報を取捨選択して、分析したり統合したりする整理整頓作業が行われています。さらに、こうした整理整頓をしながら、これから起こるであろう出来事の展開をなんとなくイメージしつつ、”はて、どんな対応の仕方をしようか”と、無意識のうちにシミュレーションしているのです。

そして、そんな「無意識のシミュレーション」をしているうちに、目の前の物事をどうやって片づけていくのかの考えがまとまることが多いのです。

本書によると、常にせわしなく何かをしていないと落ち着かない現代の日本人には、圧倒的になにかをせずただぼんやりする時間が足りていないとのことです。そのせいで、逆に仕事や勉強など生活のパフォーマンスが落ちているそうです。

たしかに、ボーっとすることは悪いことで、仕事の合間にボーっとしてようものなら怠け者の烙印を押されてしまいます。

また、お昼休みなどでも、同僚や友達と話したり、スマホをチェックしたりすることが多いと思いますので、ボーっとする時間をとれていない人が大半だと思います。

だからこそ、意図的にでもボーっとする時間をつくることが大切です。

ちなみに、あのアップルの創業者の「スティーブ・ジョブス氏」も自伝の中で意図的にボーっとする時間をとっていると明らかにしています。

意識的にボーっとする時間が大切

仕事や学校の休憩中に友達としゃべったり、スマホをいじったりしている人も多いと思います。しかし、これらのときはデフォルドモードネットワーク(DMN)は残念ながら活性化していません。

たしかに、友達としゃべったりスマホをいじったりするのも楽しくていいですが、たまにはとにかくボーっとしてデフォルドモードネットワーク(DMN)を意識的に働かせることが大切です。

なぜなら、デフォルドモードネットワーク(DMN)によって色んなメリットが期待できるからです。

例えばですが、デフォルドモードネットワーク(DMN)を活性化することで、記憶は定着しやすくなりますし、アイディアが出てきたり、過去の情報を整理して、これからの価値判断をよりよく決定できるようになります。

将来のことについてクヨクヨ考えて、あーでもない、こーでもないと悩み続けている人がいますが、たしかにしっかりと考える時間も大切ですが、ボーっとしたりしてデフォルドモードネットワーク(DMN)を活性化させることも大事だよというお話です。

まとめ:デフォルドモードネットワークとは

デフォルトモードネットワークとは、何もしていないときに働く脳のネットワークです。

このデフォルトモードネットワーク(DMN)でとくに重要となる脳の部位は「内側前頭前野」と「後部帯状回」です。

デフォルトモードネットワーク(DMN)で重要となる脳の部位

  1. 内側前頭前野【大脳皮質の一部】
    → 前頭前野とは前頭葉の前側の領域(額の裏側)です。さらに前頭前野の眼の上側の部分を内側前頭前野といいます。
  2. 後部帯状回【大脳辺縁系の一部】
    → 帯状回は大脳の一部分を占め、海馬、偏桃体などとともに大脳辺縁系とも呼ばれています。後部帯状回は、帯状回の後頭葉側の部分のことです。

前頭前野の役割:前頭前野には「考える、記憶する、感情をコントロールする、判断する」といった人間を知性的にする役割があります。
後部帯状回の役割:後部帯状回は、長期記憶とワーキングメモリを密接に結ぶ機能を営んでいるといわれています。

画像元:Wikipedia「帯状回」

 

勉強や仕事など意識して何かをしているときは「後部帯状回」と「前頭葉内側」の活動は低下します。

逆に、何もしていないときに「デフォルトモード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれるネットワークが活性化していることがわかっています。

一生懸命仕事や勉強をして頭をつかっているときよりも「何もしないでボーっとしているとき」のほうが、15倍以上もエネルギーを消費して脳が活動しているといわれています。

レイクル教授によると、仕事をしたり勉強をしたりといった意識的な活動をしているときに消費するエネルギー量は、脳全体の5%程度。
残りの95%のうち、20%は脳細胞のメンテナンス、75%はボーっとしているときの活動にあてられているとのことです。
つまり、何もせずにボーっとしているときというのは、仕事や勉強など意識的な活動をしているときに比べて、15倍のエネルギーが使われているということです。

つまり、ボーっとして何もしていないときというのは、脳は大量のエネルギーを使っていて、そういうわけで脳の活動的にはメインだともいえます。

そんなデフォルトモードネットワーク(DMN)には以下の効果があります。

  • ひらめきやアイディアが生まれやすくなる
  • 仕事の作業効率が上がる
  • 記憶力などの能力がアップ
  • 人間関係などの悩みやストレスの解消
  • 今の自分が「やるべきこと」がわかる
  • 人生や生活の軌道修正ができる

ぼんやりしているときの脳内では、次の活動のために、あちこちに散らばっている情報を取捨選択して、分析したり統合したりする整理整頓作業が行われています。さらに、こうした整理整頓をしながら、これから起こるであろう出来事の展開をなんとなくイメージしつつ、”はて、どんな対応の仕方をしようか”と、無意識のうちにシミュレーションしているのです。

そして、そんな「無意識のシミュレーション」をしているうちに、目の前の物事をどうやって片づけていくのかの考えがまとまることが多いのです。

常にせわしなく何かをしていないと落ち着かない現代の日本人には、圧倒的になにかをせずただぼんやりする時間が足りていないです。そのせいで、逆に仕事や勉強など生活のパフォーマンスが落ちているそうです。

というわけで、意図的にボーっとする時間を作りましょう。

「ボーっとする」というのは、一般的な認識としてサボっているようにみえるため、あまりよく思わない人が大半かもしれませんが、脳科学的にみると非常に合理的な脳の使い方です。

実際、仕事のお昼休み中にボーっとすることで、仕事が重なって頭の中がごちゃごちゃになってパニック状態になっても、頭の中が整理整頓され、昼以降、物事の優先順位をつけて落ちついて行動できるようになります。

 

というわけで今回は以上です。

 

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