グルテンとは?わかりやすく解説してみた【グルテニン+グリアジン】

こんにちは、臨床工学技士の秋元です。

グルテンフリーという言葉を聞いたことがありますか?

グルテンフリーは、もともとは小麦のグルテンによって小腸が炎症したり、アレルギーを起こす人の治療食として始まったものです。

それが、一般の人もやってみることで日々の体調が良くなったりしたので、現在のようにグルテンフリーをする人が増えてきました。

そこで本記事では、グルテンとは、いったいどんな物質なのかをわかりやすく解説します。

グルテンとは?わかりやすく解説してみた【グルテニン+グリアジン】

グルテン(グルテニン+グリアジン)

画像引用:一般財団法人 日本食品分析センター

グルテンは米国食品医薬品局(FDA)により定義されていて「グルテンとはグルテン含有穀物で自然発生するタンパク質であり、セリアック病疾患者に健康上の悪影響を与える可能性があるもの」とされています。

グルテン含有穀物とは、小麦、ライ麦、大麦といった穀物のことです。

ですので、グルテンは小麦だけのイメージを持たれている人もいるかもしれませんが、いろんな穀物(ライ麦、大麦など)にも含まれています。

グルテン=グルテニン+グリアジン

グルテン(グルテニン+グリアジン)

画像引用:一般財団法人 日本食品分析センター

グルテンとは単一の成分ではありません。

グルテンは、グルテリン系タンパク質とプロラミン系タンパク質を合わせたものになります。この2つのタンパク質を、水分と一緒にこねることで、はじめてグルテンは形成されます。

  • グルテリン系タンパク質
    →小麦に含まれているものとしては、グルテニンがあります。
  • プロラミン系タンパク質
    →小麦に含まれているものとしては、グリアジンがあります。
このように、グルテンは穀物の中にそのままの形であるのではなく、グルテニンやグリアジンなどのタンパク質がくっついてできた物質です。

ですので、小麦粉のサラサラの状態では、まだグルテンが含まれていません。小麦粉を水と一緒にこねることではじめてグルテンが作られます。

小麦粉に水を加えてこねると、徐々にネバネバしてきますよ。このネバネバをつくっている物質がグルテンです。
さらにこね続けると、最後には餅のような塊ができあがります。
そこにイースト菌をいれて焼くことで膨らんでふんわりとしたパンができあがります。
ふわふわのパン、コシのあるうどん、クッキーやピザ生地を丸めたり延ばしたりできるのもすべてグルテンのおかげです。

グルテニンの特徴

グルテニンの特徴は弾力がとても強いことです。

イメージ的には、硬くてめちゃくちゃ弾力のあるボールです。

グリアジンの特徴

グリアジンは、めちゃくちゃ伸びやすい特徴をもっています。

イメージ的には、めちゃくちゃ粘性があるものをイメージしてもらえればいいです。

グルテンの特徴

グルテン(グルテニン+グリアジン)

画像引用:一般財団法人 日本食品分析センター

  • グルテニンの特徴
    → 弾力が強い
  • グリアジンの特徴
    → 粘性が強い

グルテンとは、上の図のように、グルテニンとグリアジンという二つのタンパク質が絡み合った構造をしています。

ですので、グルテンはこれらが組み合わさった両方の性質である「弾力」と「粘性」を程よく兼ね備えています。

なお、グルテンをつくっているタンパク質は、他にもいろいろ種類があります。よく本やネットなかでは、小麦のことを中心に話しをするので、グルテニンとグリアジンというタンパク質がよく出てきます。

小麦以外の穀物に含まれているグルテンをつくるタンパク質

グルテリン系プロラミン系
小麦グルテニングリアジン
大麦グルテリン系ホルディン
ライ麦グルテリン系セカリン
オーツ麦(燕麦(えんむぎ))グルテリン系アベニン

小麦以外の穀物に含まれているグルテンを形成するタンパク質は、上の表のように、穀物の種類によって違います。

小麦粉の種類によるグルテン含有量の違い

小麦粉とは読んで字の如く、小麦をひいて粉にしたものです。

この小麦粉は、どの種類の小麦を原料にするかによって主に以下の3つの種類に分かれます。

小麦粉の種類

  1. 強力粉
  2. 中力粉
  3. 薄力粉

上から順にグルテンの含有量が多いです。

なお、小麦粉に含まれるグルテンが多ければ多いほど、強い生地をつくることができるので、風船のように大きく膨らませることができます。

強力粉:グルテン含有量大

強力粉は「硬質小麦」と呼ばれる小麦を原料とする小麦粉です。

3種類の小麦粉のなかで、もっともグルテンの含有量が多いです。ですので、弾性と粘性の高さがウリです。

用途として主にパンの材料に使われます。

なお、タンパク質の割合が11.5%以上の小麦粉を強力粉と呼びます。

中力粉:グルテン含有量中

飽きのこない、ほのかな香りと甘みを感じる讃岐うどん専用粉です。

中力粉とは、「中間質小麦」とよばれる小麦を原料とする小麦粉です。

弾性や粘性については、強力粉と薄力粉の中間ほどです。ですので、ほどよい弾力感で、麺の歯ごたえや食感をうみだします(強力粉で麺をつくるとガチガチに硬くなってしまいます。逆に薄力粉だとプチプチと麺が切れてしまいます)

用途としてうどん(めん類)に使われます。

なお、タンパク質の割合が7.5~8.5%の小麦粉を中力粉と呼びます。

薄力粉:グルテン含有量小

お菓子屋さんで定番、人気の薄力粉です。

薄力粉は、「軟質小麦」と呼ばれる小麦を原料とする小麦粉です。

グルテンの含有量は3種類の小麦粉のなかでもっとも少ないです。

ですので弾性や粘性が弱く(生地に粘りがうまれません)、もちもちとした食感を出すことはできません。

用途としてクッキー、ケーキといったお菓子、天ぷらの衣、唐揚げなどに適しています。

なお、タンパク質の割合が6.5~8.0%の小麦粉を薄力粉と呼びます。

まとめ:グルテンとは

グルテン(グルテニン+グリアジン)

画像引用:一般財団法人 日本食品分析センター

グルテンとは、小麦、ライ麦、大麦などの穀物に含まれているタンパク質です。このグルテンは、セリアック病疾患者に健康上の悪影響を与える可能性があります。

なお、グルテンはは単一の成分ではありません。

グルテンは、グルテリン系タンパク質とプロラミン系タンパク質を合わせたものになります。この2つのタンパク質を、水分と一緒にこねることで、はじめてグルテンは形成されます。

  • グルテリン系タンパク質
    →小麦に含まれているものとしては、グルテニンがあります。
  • プロラミン系タンパク質
    →小麦に含まれているものとしては、グリアジンがあります。

このように、グルテンは穀物の中にそのままの形であるのではなく、グルテニンやグリアジンなどのタンパク質がくっついてできた物質です。

ですので、小麦粉のサラサラの状態では、まだグルテンが含まれていません。小麦粉を水と一緒にこねることではじめてグルテンが作られます。

小麦粉に水を加えてこねると、徐々にネバネバしてきますよ。このネバネバをつくっている物質がグルテンです。
さらにこね続けると、最後には餅のような塊ができあがります。
そこにイースト菌をいれて焼くことで膨らんでふんわりとしたパンができあがります。
ふわふわのパン、コシのあるうどん、クッキーやピザ生地を丸めたり延ばしたりできるのもすべてグルテンのおかげです。

 

というわけで今回は以上です。

 

<注意事項> 本ブログに掲載されている情報の正確性については万全を期しておりますが、掲載された情報に基づく判断については利用者の責任のもとに行うこととし、本ブログの管理人は一切責任を負わないものとします。 本ブログは、予告なしに内容が変わる(変更・削除等)ことがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA