こんにちは、臨床工学技士の秋元です。
今回は、トレミキシン®について、そのプライミング方法、保険適応の条件と回数、施行条件などをまとめました。
目次
トレミキシン®のプライミング
トレミキシン®の充填液は酸性(pH 約2)のため、使用前にPMX-20Rは4L以上、PMX-05Rは2L以上、PMX-01Rは0.5L以上の生理食塩液で洗浄します。
次に、抗凝固薬を添加した500mLの生理食塩液、または5%ブドウ糖液500mLを用いて、置換・充填します。
抗凝固薬例としては、メシル酸ナファモスタット 20mg/ 生理食塩液 500mL、またはヘパリン 2,000単位/ 生理食塩液 500mL。なお、メシル酸ナファモスタットを生理食塩液で溶解する場合、沈殿を生じることがあるので、少量の5%ブドウ糖注射液に予め溶解してから使用します。
トレミキシン®の仕様
トレミキシン®には、PMX-20R®、PMX-05R®、PMX-01R®の3サイズがあり、PMX-20R®は体重が30kg以上が対象、PMX-05R®は10~30kg(血液プライミングなし)、5~10kg(血液プライミングあり)、それ以下の新生児・乳児にはPMX-01R®を使用します。
トレミキシン®の使用目的
トレミキシン®は、血中のエンドトキシンを選択的に吸着除去することを目的とした血液浄化器です。
血中のエンドトキシンを取り除くことで、敗血症性ショックに陥った患者さんの病態を改善させます。
ちなみにエンドトキシンとは、グラム陰性菌の外膜の主成分あるリポ多糖(LPS)のことです。エンドトキシンについては下記の記事で詳しく解説しています。
トレミキシン®の原理
画像引用:池田寿昭,特集 血中病原体抗原とバイオマーカー Ⅰ病原体抗原6.エンドトキシンについて,化学療法の領域 Vol.32,No.10,2016
トレミキシン®は、ポリミキシンBが固定化された血液浄化器です。
このポリミキシンBは、エンドトキシン(LPS)と親和性が高いです。
具体的にはエンドトキシン(LPS)にあるリピドAという部分とポリミキシンBのアミノ基がイオン結合します。加えてエンドトキシン(LPS)の疎水性部分がポリミキシンBの疎水性鎖と疎水結合します。こういった原理で、トレミキシン®はエンドトキシンを吸着除去しています。
トレミキシン®の保険適応
トレミキシン®の適応は、エンドトキシン血症に伴う重症病態、あるいはグラム陰性菌感染症によると思われる重症病態の患者に対してです。
なお、重症病態とは下記条件を2項目以上満たすものです。
- 体温 >38℃、または<36℃
- 心拍数 >90回/分
- 呼吸数 >20回/分またはPaCO2<32 torr
- 白血球数 >12,000/m3,<4,000/m3 または10%以上の桿状核好中球を含む場合
また、保険の適応は1本目のトレミキシン®使用後に24時間経過した後に2本目までの使用です。
トレミキシン®の治療条件
血液流量に関しては、添付文書によるとPMX20Rでは80~120mL/minとされています。
施行時間は添付文書では2時間とされています。これはポリミキシンBとエンドトキシンの吸着平衡による基礎的データに基づくものです。
しかし2時間を超えた使用でもエンドトキシン濃度を低下させるとの報告もあります。
というわけで今回は、トレミキシン®について、そのプライミング方法、保険適応の条件と回数、施行条件などをまとめました。少しでも皆様の参考になれば幸いです。
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