【血液検査】血算とは?血算5種の項目・種類・意味・基準値について

こんにちは、臨床工学技士の秋元です。

本記事では、新人の看護師やコメディカルに向けて、血算とはいったいなんなのか?どういった項目があるのかについてできるだけわかりやすくまとめています。

血算とは?-CBC:complete blood count-

血算とは全血球計算の略で、CBC(complete blood count)とも呼ばれています。

生化学とともに、血液検査では非常によく調べる検査でかなり重要で、上の画像の紫色の蓋のスピッツで採血をします。

この血算と呼ばれる採血の検査では、血液中の細胞成分である赤血球、白血球、血小板などの数、大きさ、種類、濃度などを測定します。

血液は、血球(赤血球、白血球、血小板などの細胞成分)と、血漿(液体成分)からできています。血算では血球について調べます。

血算の目的

血算を検査する目的

  1. 貧血がないか
  2. 白血球や血小板の異常がないか

血算を検査する最大の目的は、1.貧血がないか、あるいは2.白血球数、血小板の異常がないかを確認することです。

血球の役割

血球の役割

  1. 赤血球
    →主な働きは全身への酸素の運搬です。
  2. 白血球
    →主な働きは免疫です。
  3. 血小板
    →出血を止める働きをしています。

血球の役割について簡単にまとめますと、上記のようになります。

血算の検査項目一覧

血算(CBC:全血球計算)で測定できる主な検査項目は上記の表のとおりです。

ただし、これらはあくまで一般的な血算の項目です。
これ以外にも、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、異形リンパ球、形質細胞など他にも血算の項目はありますが、通常の採血で調べることはまずありませんので本記事では割愛します。

血算5種とは?

  1. 赤血球数(RBC:red bood cell)
    ・平均赤血球容積(MCV)
    ・平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)
    ・平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)
  2. ヘモグロビン(Hb:hemoglobin)
  3. ヘマトクリット(Ht:hematocrit)
  4. 白血球数(WBC:white blood cell)
  5. 血小板数(Plt:platlet)

臨床では「血算5種の採血とっといて」などといわれることがありますが、血算5種とは上記の5つの項目のことです。

MCV、MCH、MCHCは赤血球恒数と呼ばれるもので、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットの値から計算によって求められます。

赤血球恒数とは?

赤血球恒数とは、赤血球の大きさや、そこに含まれるヘモグロビン量と濃度をあらわしています。

赤血球恒数には、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)の3つがあります。

赤血球恒数

  1. 平均赤血球容積(MCV)
    →赤血球1つあたりの大きさのこと
  2. 平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)
    →赤血球1つあたりのHbの含有量のこと
  3. 平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)
    →赤血球1つあたりのHbの濃度のこと

これら3つの赤血球恒数は、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットの値から計算によって求められます。

例えば貧血があれば、平均赤血球容積(MCV)でその貧血が大/正/小球性か、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)で高/正/低色素性、すなわち赤血球1個に含まれるヘモグロビンが多いか、普通か、少ないかが判断できます。

血液像とは?

血液像(白血球分画)

  1. 好塩基球(Baso)
  2. 好酸球(Eos)
  3. 好中球(Neut)
    ・分葉核球(Seg)
    ・桿状核球(Band)
  4. 単球(Mono)
  5. リンパ球(Lym)

もう少し詳しく検査する場合、血算5種に加えて上記の血液像(白血球分画)も追加して検査する場合があります。

白血球(WBC)が増加していたら、どの白血球が増加しているのかを確認します。

血液像(白血球分画)とは白血球の種類のことで、おおざっぱに分けて上記の5種類があります。逆にいえば、好塩基球、好酸球、好中球、単球、リンパ球の5種類の血球のことをまとめて白血球と呼びます。

ちなみに、末梢血液中の白血球数は、好塩基球、好酸球、好中球、単球、リンパ球の5種類を合計した数です。この5種類のうち、どの種類の白血球が増えたか減ったかをみることができます。

その他:網状赤血球、好酸球数、リンパ球数

その他、以下の項目も追加で検査する場合があります。

  1. 網状赤血球
  2. 好酸球数
  3. リンパ球数

それぞれの血算の項目の意味と基準値

それでは、それぞれの血算の項目の意味と基準値について簡単に紹介します。

基準値に関しては、日本臨床検査標準協議会(JCCLS)基準範囲共用化委員会の共用基準範囲とJCOG共用基準範囲を主に参考にしています(1,2)。

施設により基準値は微妙に違っていますので参考までにご覧ください。

血算5種の意味

  1. 赤血球数(RBC:red bood cell)
    ・平均赤血球容積(MCV)
    ・平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)
    ・平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)
  2. ヘモグロビン(Hb:hemoglobin)
  3. ヘマトクリット(Ht:hematocrit)
  4. 白血球数(WBC:white blood cell)
  5. 血小板数(Plt:platlet)

血算5種とは上記の5つのことです。

赤血球数(RBC)

  • 基準値:男性:435~555万/μL 女性:386~492万/μL

赤血球数(RBC)とは、一定体積の血液中に含まれる赤血球の数のことです。

男性の場合は軽く450万/μLを超える人が多いですが、女性の場合は生理の影響で低めな人が多く、430万/μLを超えてれば落第点です。

しかし、赤血球数(RBC)だけでは、赤血球1個あたりの大きさ、赤血球1個あたりのヘモグロビン量といった赤血球の質まではわかりません。
ですのでその他の検査(ヘモグロビン濃度や赤血球恒数など)から、具体的にどんな種類の貧血が疑われるのかを判断していきます。

ヘモグロビン(Hb)

  • 基準値:男性:13.7~16.8g/dL 女性:11.6~14.8g/dL
ヘモグロビン(Hb)とは、一定体積の血液中に含まれるヘモグロビンの量のことです。

女性より男性の方がHbが十パーセントほど多いですが、その理由はテストステロンによる赤血球増加作用による影響です。

ヘモグロビン(Hb)は、「ヘム」という鉄を含む物質と「グロビン」というタンパク質とが結合してできています。酸素と結合するのは「ヘム」です。ちなみに、血液が赤く見えるのは、このヘモグロビン(Hb)の色によるものです。ヘムに酸素が結合していないときは、静脈血の薄い青色ですが、酸素と結合すると赤い動脈血の色になります。
例えばHbが13.0g/dLの場合、血液100mLの中に、ヘモグロビンが13.0gありますよ、という意味になります。

このヘモグロビンは赤血球の中に存在し、赤血球の重量の約3分の1をヘモグロビンが占めていて、残りの3分の2はほとんどが水分です。

ヘモグロビン(Hb)が基準値以下の状態を「貧血」と呼びます。

ヘマトクリット(Ht)

  • 基準値:男性:40.7~50.1% 女性:35.1~44.4%
ヘマトクリット(Ht)とは、血液中に占める赤血球の容積の割合のことです。

ただ、実際に現場でこのヘマトクリットをみることはあまりなく、貧血の程度などはヘモグロビンの濃度で判断します。

例えばHtが45%の場合、血液中の45%が赤血球ですよ、という意味になります。

白血球数(WBC)

  • 基準値:3300~8600/μL
白血球数(WBC)とは、一定体積の血液中に含まれる白血球の数のことです。

赤血球恒数の意味

赤血球恒数

  1. 平均赤血球容積(MCV)
    → 赤血球の平均的な大きさ
  2. 平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)
    → 赤血球1個あたりの平均ヘモグロビン量
  3. 平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)
    → 赤血球1個あたりの平均ヘモグロビン濃度

赤血球恒数には、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)の3つがあります。

この赤血球恒数の評価は、貧血があると判断された場合に行われるものです。その数値から、どんな種類の貧血が疑われるかを判断します。

平均赤血球容積(MCV)

  • 基準値:83.6~98.2fL

平均赤血球容積(MCV)は、1つの赤血球容積の平均値(赤血球1つあたりの大きさ)を表したものです。

小さい場合を小球性、基準範囲のものを正球性、大きいものを大球性と呼びます。

平均赤血球容積(MCV)によって、大球性(MCV>100fL)、正球性(MCV:80~100fL)、小球性<80fLのいずれかを判断します。

小球性貧血には鉄欠乏性貧血、正球性貧血には腎性貧血や溶血性貧血、大球性貧血ではビタミンB12不足と葉酸不足が有名です。

貧血があればまずはMCVに着目します。小球性であればHb合成障害による貧血、正球性であれば出血、溶血、造血機能低下による貧血、大球性であれば赤芽球の成熟障害(ビタミン不足、葉酸不足など)による貧血を疑います。有名なものとしては、鉄欠乏性貧血では小球性になることが多いです。

平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)

  • 基準値:27.5~33.2pg

1つの赤血球に含まれるヘモグロビンの量の平均値(赤血球1つあたりのHbの含有量)を表したものです。

平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)

  • 基準値:31.7~35.3g/dL
一定容積の赤血球中にあるヘモグロビン濃度(赤血球1つあたりのHbの濃度)を表したものです。

低いものを低色素性、基準範囲を正色素性といいます。

低色素性貧血には鉄欠乏性貧血、正色素性貧血には溶血性貧血、再生不良性貧血、悪性貧血などがあります。

血液像(白血球分画)

血液像(白血球分画)

  1. 好塩基球(Baso)
  2. 好酸球(Eos)
  3. 好中球(Neut)
    ・分葉核球(Seg)
    ・桿状核球(Band)
  4. 単球(Mono)
  5. リンパ球(Lym)

血液像(白血球分画)とは、白血球の種類のことで、上記の5種類があります。

白血球(WBC)が増加していたら、どの白血球が増加しているのかを確認しましょう。

好塩基球(Baso)

  • 基準値:0~2%

好塩基球は、慢性骨髄性白血病やアレルギー疾患などのときに上昇します。

好酸球(Eos)

  • 基準値:2~4%

好酸球は、アレルギー疾患、猩紅熱(しょうこうねつ)、寄生虫病などのときに上昇します。

好中球(Neut)

  • 基準値:40~60%

好中球は、細菌感染症、白血病、心筋梗塞、外傷、熱傷、ステロイドを使用しているときなどに上昇します。

逆に好中球が減少するのは、再生不良性貧血、急性白血病、ウイルス感染症などです。

単球(Mono)

  • 基準値:3~6%

単球は、結核、慢性骨髄単球性白血病、麻疹など発疹性の感染症などのときに上昇します。

リンパ球(Lym)

  • 基準値:26~40%

リンパ球は、リンパ性白血病、ウイルス感染症などのときに上昇します。

逆にリンパ球が減少するのは、感染症(HIV、結核など)、全身性エリテマトーデス(SLE)などです。

ちなみに、リンパ球はB細胞、T細胞、NK細胞にわけられます。

その他:網状赤血球、好酸球数、リンパ球数

その他、以下の項目も追加で検査する場合があります。

  1. 網状赤血球
  2. 好酸球数
  3. リンパ球数

網状赤血球

  • 基準値:0.3~2.0%、5~19万/μL
網状赤血球は、骨髄でつくられたばかりの幼若な赤血球で、正常ではあまり血液中にみられず、貧血のときなどに増加します。

網赤血球を測定することにより、骨髄中の赤血球産生能がわかります。

また、網状赤血球の増加は、赤血球寿命の短縮を示唆しています。

正球性貧血(MCV:80~100fL)で、網状赤血球の増加があれば、出血性や溶血性貧血が疑われます。なお溶血性貧血では、LDH増加、間接ビリルビン優位の高ビリルビン血症を呈します。

好酸球数

好酸球数は、血液検査の白血球数と好酸球分画のパーセンテージから、血液中の好酸球の絶対数を算出したものです。

  • 基準値:70~440/μL

リンパ球数

リンパ球数は、血液検査の白血球数とリンパ球分画のパーセンテージから、血液中のリンパ球の絶対数を算出したものです。

  • 基準値:1000~/μL

 

というわけで今回は以上です。

 

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