手首の血圧は低い?それとも高くなる?上腕との違いはあるの?

こんにちは、臨床工学技士の秋元麻耶です。

患者さんに血圧を測定するとき、基本的に上腕で血圧を測定します(日本高血圧学会では上腕電お血圧の測定を推奨しています)。しかし、様々な諸事情で上腕で血圧を測定できない場合、手首や下肢で血圧を測定することがあります。

こんなときに、上腕での血圧と手首での血圧に違いがあるの?と疑問に思う方もおられるはずです。

そこで本記事では上腕と手首の血圧の違いを解説しています。

手首での血圧は低いのか?高いのか?

実際に、熟練した医師の監視の下で、多数例で同一人の上腕と手首との血圧値を比較してみると、その絶対値は非常に良く一致する。

引用:高橋伯夫,臨床検査,vol51,no.11,2007年11月

本来、動脈の位置によって血圧に違いがあってしかるべきです。

実際、手首の尺骨動脈と橈骨動脈は、上腕動脈よりもサイズは小さいです。しかし、血圧の差が出るほどの解剖学的な差はありません。

正しく測定できているのであれば、上腕と手首の血圧はほぼ同じとなります。

※ ただし、動脈の閉塞や動脈硬化などによって循環に障害がある場合は、上腕と手首の血圧に大きな差がみられることがあります。

しかし、手首の血圧測定には2つの大きな問題があるため、臨床現場で手首の血圧を第一選択として選ばれることはありません。

手首での血圧測定の2つの問題点

手首血圧測定の問題点は、測定対象の橈骨動脈が太い腱と橈骨との間を走行していて、稀にマンシェットの圧迫で阻血しがたい例があって不正確になることである。しかし、大多数での問題は測定時の手首の位置であり、心臓の高さに保つようにとの指示を見落としていて不適切な位置で測定するための誤差である。

引用:高橋伯夫,臨床検査,vol51,no.11,2007年11月

上記のとおり手首での血圧測定には問題点が2つあります。

  • 問題点①:カフで正しく手首の動脈の血流を遮断できているか?
  • 問題点②:手首と心臓の位置関係は正しいか?

問題点①:カフで正しく橈骨動脈の血流を遮断できているか?

手首には尺骨動脈と橈骨動脈という2つの動脈があります。加えて、橈骨、尺骨という2本の骨と手首に硬い腱があります。

つまり、手首にある2本の動脈は、2本の骨と硬い腱に囲まれているということです。したがって、手首の角度や形状によって、2本の動脈が十分に圧迫されずに上の血圧に誤差が生じる可能性があります。

問題点②:手首と心臓の位置関係は正しいか?

手首は、上腕と違い、心臓との位置関係が変わりやすいです(上腕で血圧を測る場合、通常心臓と上腕は同じ高さにあります)。

例えば、

  • 手首が心臓より下にある場合
    →手首の血液の流れが多くなるために高めの血圧となります。
  • 手首が心臓より上にある場合
    →手首の血液の流れが少なくなるため低めの血圧となります。

※ 手首と心臓の高さが10cm変わると血圧は7mmHg前後値が変わってしまいます。

したがって、手首で血圧を測定するときは、必ず手首と心臓の高さを同じにして測定する必要があります。

手首式血圧計は正確ですか?上腕式との値の差はありますか?

Q 手首式血圧計は正確ですか?上腕式との値の差はありますか?

A 回答
上腕式血圧計での測定値と、手首式血圧計での測定値を比較した際、差が生じることはあります。
上腕と手首ぞれぞれ血管の太さや硬さに差があり、血圧にも違いが出ます。

手首で測定した血圧は「手首の血圧」
上腕で測定した血圧は「上腕の血圧」
それぞれ正しく測定されますが、値に差があっても「どちらかが誤っている」ということではありません。

手首式血圧計は、測定時の機器の位置(腕の高さ)により、値が変動します。
測定の際は「本体が心臓と同じ高さ」になるように合わせ、測定をお願い致します。
※本体が心臓より低い位置で測定した場合は値が高く、心臓より高い位置で測定した場合は値が低く出る傾向があります。

引用:omron,よくあるご質問

手首式血圧計を発売している電子機器メーカーのオムロンは、ウェブサイト「(手首式血圧計の)よくあるご質問」の中でこのように説明しています。

まとめ

健康な人であれば上腕と手首の血圧はほぼ同じです。

しかし、手首での血圧は正しく測定できていなければ誤差が生じてしまいます。それもあって、日本高血圧学会では上腕での血圧の測定を推奨しています。

ですので、基本はやはり上腕で血圧を測定すべきです。

しかしどうしても手首で血圧を測りたいという人は、上腕と手首での血圧を測定してみて、ほぼ同じであればそれでよし。違うのであれば、その違いを把握したうえで手首血圧として使用するのがいいと思います。例えば、自分は手首のほうが上腕より20mmHgくらい高いとわかっていれば、手首で測った血圧が140mmHgであれば、上腕ではたぶん120mmHgくらいだろうと予測することができます。

ちなみに、手首と上腕の血圧は連動しているので、手首の血圧が上がっていれば上腕の血圧も上がっていると考えられます。

 

というわけで今回は以上です。

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