カテコラミンとはなに?わかりやすく解説します

こんにちは、臨床工学技士の秋元です。昇圧薬を勉強しているときに、カテコラミンという物質がなんなのかさっぱりわからなかったので、色々調べて本記事にまとめました。

ですので、本記事ではカテコラミンとはいったいなにかをわかりやすく解説します。

カテコラミンとは?

カテコラミンとは、カテコール核を構造の中に含むアミンの総称のことです。

カテコラミンはカテコールアミンとも呼ばれます。

ちなみに、体内では下記の3種類のカテコラミンがつくられています。

  • アドレナリン(別名:エピネフリン)
  • ノルアドレナリン(別名:ノルエピネフリン)
  • ドーパミン
アドレナリンとエピネフリンは同じ物質で呼び名が違うだけです。同様に、ノルアドレナリンとノルエピネフリンも呼び名が違うだけで同じ物質です。

ですが、いきなり「カテコール核」や「アミン」といわれても意味不明だと思いますので、順を追って説明していきます。

カテコール核とは

カテコール核とは、ベンゼン環に2つの水酸基(-OH)が隣り合って結合した化合物のことです。

アミンとは

アミンとは、アンモニア(NH3)の水素を炭化水素基などで置換した化合物の総称のことです。

置き換えられた水素の数によって、第一級アミンから第四アミンがあります。

炭化水素基とは、「C」と「H」のみで構成された原子団のことです。

カテコラミンとは

カテコラミンとは、特定の構造(カテコール核+アミン)をもっている化合物のことです。

  • カテコール核:ベンゼン環に2つの水酸基(-OH)が隣り合って結合した化合物のこと
  • アミン:アンモニア(NH3)の水素を炭化水素基などで置換した化合物の総称のこと

このカテコラミンは、カテコラミン受容体に結合することで作用を発揮します。

ちなみに、体内では下記の3種類のカテコラミンがつくられています。

  • アドレナリン(別名:エピネフリン)
  • ノルアドレナリン(別名:ノルエピネフリン)
  • ドーパミン

カテコラミン受容体

カテコラミン受容体をざっくり分けると、以下の2種類があります。

  1. アドレナリン受容体
  2. ドーパミン(ドパミン)受容体

とくに、血圧に関係するものとして重要なのは「アドレナリン受容体」です。

アドレナリン受容体

参考:https://medi-information.com/?p=1341

アドレナリン受容体はカテコラミンをキャッチして作用を発揮する受容体で、大きくα受容体とβ受容体に分けれらます。

そして、受容体はさらに細かく分かれα受容体はα1受容体とα2受容体に、β受容体はβ1受容体β2受容体β3受容体の3種類に分類されています。

アドレナリン受容体の分類

  • α1受容体
  • α2受容体
  • β1受容体
  • β2受容体
  • β3受容体
一般にα受容体(α1α2)受容体は興奮作用を、β受容体(β1β2β3)は抑制作用を示します。

アドレナリンとノルアドレナリンは、これらの受容体に結合して作用を発揮します。
ちなみに、ドーパミン(ドパミン)もα受容体やβ受容体とも結合して作用を発揮します。

ドーパミン(ドパミン)受容体

参考:http://www.akira3132.info/serendipity_neural_system.html#%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3%E5%8F%97%E5%AE%B9%E4%BD%93%E3%81%AE%E7%A8%AE%E9%A1%9E

ドーパミン(ドパミン)受容体は、D1D2D3D4D5受容体の5種類があります。

ドーパミン(ドパミン)受容体の種類

  • D1受容体
  • D2受容体
  • D3受容体
  • D4受容体
  • D5受容体
ドパミン受容体の大半は中枢神経系に分布しています。

ドーパミン(ドパミン)受容体にはドーパミン(ドパミン)が結合して作用を発揮しますが、先ほどにも述べたようにドーパミン(ドパミン)はα受容体やβ受容体とも結合して作用を発揮します。

体内でつくられるカテコラミン

体内でつくられるカテコラミンは以下の3種類があります。

  1. アドレナリン(エピネフリン)
  2. ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)
  3. ドーパミン

アドレナリン(エピネフリン)

アドレナリンはβ受容体に対する作用が強く出ます。
ですので、心拍数が増え、収縮力も上昇して心拍出量が増えます。

また、α1に対する作用もあるので血管収縮効果もあります。

詳しくはこちらの記事が参考になります。
>>http://kusuri-yakugaku.com/pharmaceutical-field/pharmacolory/%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%B3/

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)

ノルアドレナリンは主にα受容体に対する作用が強く出ます。
ですので、血管が収縮して血圧を上昇させます。

一方、心臓のβ受容体への作用は弱いので心拍数は増えません。

むしろ血圧が上昇すると、神経は心臓に負担をかけないように心拍数を減少させるような反射を起こします。

ですので、心拍数は逆に減ります。

詳しくはこちらの記事が参考になります
>>http://kusuri-yakugaku.com/pharmaceutical-field/pharmacolory/%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%B3/

ドーパミン

ドーパミンは、以下の受容体への作用があり、容量によってメインとなる作用は変わります。

  • α1受容体
  • β1受容体
  • D1受容体
  • D2受容体

詳しくはこちらの記事が参考になります。
>>http://kusuri-yakugaku.com/pharmaceutical-field/pharmacolory/%E3%83%89%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3/

医療用で使われるカテコラミン

最後に、日本でつかわれている医療用のカテコラミンを紹介します。

  1. アドレナリン(エピネフリン)
  2. ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)
  3. ドーパミン(ドパミン)
  4. ドブタミン

 

というわけで今回は以上です

 

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