こんにちは、臨床工学技士の秋元です。
人間の皮膚には、無数の毛穴があります。とくに、小鼻の毛穴が気になってしょうがないという人も多いのではないでしょうか。
この毛穴というのは、医学的には「毛包」と呼びます。
本記事では、毛穴(毛包)の構造を、断面図のイラストとともに図解でわかりやすく解説します。
目次
【図解】毛穴とは?断面図を使ってイラストでわかりやすく解説します
毛穴とは、医学的には「毛包」と呼ばれています。
- 毛穴=毛包(医学的な呼び方)
- 毛包:皮膚の真皮から表皮を貫いて生えている毛を包んでいる組織
毛包とは
真皮中にある毛根は,毛包という袋に包まれている。毛包は,表皮に続く上皮性毛包と,そのまわりの結合組織性毛包とからなる。毛包の最深部からは,毛根に向かって結合組織性の毛乳頭が入り込む。毛乳頭を円蓋状におおう上皮細胞の集団が毛母基(毛母)で,この細胞が分裂して毛を発育させる。
引用:系統看護学講座 専門基礎分野 解剖生理学 人体の構造と機能①,医学書院,p455
毛包は皮膚外部に露出したケラチン繊維に富む角化した細胞からなる毛幹部分と,皮膚真皮に埋没した,毛幹を生み出す元になる毛根鞘や毛母細胞,毛乳頭細胞などから構成されている(図1).
毛は肌の奥から生えてきていますが、この毛の奥を毛包が包んでいます。
この毛包が皮膚の表面に開いているところを、わたしたちは一般的に毛穴といっていますね。
肌がすごい綺麗な人で、毛穴とか全然なさそうな人でも、毛穴(毛包)は必ずあります。ただ、この毛包のサイズは遺伝子である程度決められています。
毛穴(毛包)の構造の模式図【イラストあり】
上に示した皮膚から毛が生えている断面図をご覧いただくとわかりますが、皮膚の真皮から表皮を貫いて生えている毛を包んでいるものが「毛包」と呼ばれているものです。
この毛包が、皮膚表面に穴として見えている部分を私たちは一般的に「毛穴」といっているわけです。
なお、毛包の下の方にある膨らみを毛球といい、この毛球に毛母細胞と毛乳頭が含まれています。毛乳頭は血管網の発達した結合組織成分で、毛母細胞の増殖を促進して毛根を成長させています。
- 毛穴=毛包(医学的な呼び方)
- 毛包:皮膚の真皮から表皮を貫いて生えている毛(毛根)を包んでいる組織
- 毛球:毛包の下の方の膨らみのこと。毛球には毛母細胞と毛乳頭が含まれている
毛穴と皮脂腺
- 頭
- 顔
- 鼻
毛穴(毛包)の横には皮脂腺といって、そこから脂が出ています。
皮脂腺が最も多いのは頭、顔、鼻です。
毛穴と汗腺
- エクリン汗腺
→毛穴(毛包)には付着していません - アポクリン汗腺
→毛穴(毛包)に付着していて、これがワキガの原因です
毛穴(毛包)の横にはアポクリン汗腺が付着しています。
特に、脇の下や陰部などにアポクリン汗腺は多いです。
汗腺の種類
人間の汗を分泌する汗腺というのは「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。
エクリン汗腺は全身の皮膚にあり、熱いときにかいたりする汗を分泌しています。
それに対してアポクリン汗腺は脇の下や陰部などに多くあり、いろんな成分(タンパク質、糖分、中性脂肪、ピルビン酸、鉄分など)が混ざっている汗を分泌します。このアポクリン汗腺から分泌された汗と皮脂が混ざったものを皮膚の常在菌(コリネバクテリウム、ジフテロイドなど)が分解し、臭いが発生するといわれています。
これがワキガの原因といわれています。
毛穴(毛包)の種類
- 軟毛性毛包
(産毛が生えてくる毛穴のこと) - 脂腺性毛包
(短く、細い毛が生えている毛穴のこと) - 終毛性毛包
(髪やひげなど、太い毛が生えている毛穴のこと)
毛穴(毛包)には「軟毛性毛包」「終毛性毛包」「脂腺性毛包」の3つの種類があります。
終毛性毛包は髪やひげなど、太い毛が生えている毛穴です。皮脂の分泌が多い場所です。ただ、太い毛が生えかわるときに皮脂も一緒に出ていくため、皮脂はつまりにくいといわれています。
この中でも皮脂の分泌量が多い脂腺性毛包は、毛穴の黒ずみや開きといったトラブルが起きやすい毛穴といえます。
全身と顔の毛穴
毛穴というと、鼻や頬をまずイメージすると思います。しかし毛穴は全身にありますし、構造も同じです。
ただ、その毛穴の特徴に違いがあります。
顔の毛穴の特徴は、毛自体は退化して細くなっていますが、皮脂腺が身体よりも発達しているため、このことが毛穴が目立つ原因となっています。
特に、顔の中のTゾーン(おでこ・鼻)は、顔の他の部分に比べて、毛穴が7~8倍も多いので、鼻や頬の毛穴を気にしている人が多いです。
毛穴の数は増える?
年齢と共に毛穴が気になってくるという人もいるとおもいますが、毛穴の数は年齢と共には増えません。
人間は、妊娠6カ月ほどですべての毛包が完成し、誕生以降は新しくできることはありません。
ですので、子供と大人とで毛包の数は変わらないといわれています。
毛穴は増えることはありませんが、その逆で毛穴(=毛包)を無くすこともできません。ただ、毛穴を目立たなくさせることは可能です。
ブラックヘッドとは?【いちご鼻】
- 毛穴に詰まった角栓の表面の酸化
- 毛そのもの
(日本人の場合)
ブラックヘッドの原因には2つあり、1つ目は毛穴に詰まった角栓の表面の酸化によるもの、2つ目は毛そのものによるものがあります。
毛穴の皮脂腺より大量に分泌された皮脂が角質と混ざって角栓となり、これが空気中の酸素と結びついた結果、酸化して黒く見えてしまいます。
もう一つのブラックヘッドの原因は、実は「毛」そのものです。
毛穴というくらいなので、当然「毛」が生えています。
日本人の毛は外人と比べて黒いので、意外と毛によって黒いブツブツになってしまっているケースがあります。特に鼻のあたりには太い毛が生えがちで、こういった人は脱毛をすることで良くなります。
毛穴が目立つようになる原因
- 皮脂の過剰な分泌
- 真皮のコラーゲンやエラスチンの減少や劣化
毛穴が目立ってしまう原因には主に上記の2つがあります。
順を追って解説していきます。
真皮のコラーゲンやエラスチン
毛穴(毛包)は皮膚の真皮から表皮にかけてありますが、このうち真皮にはコラーゲンやエラスチンがあります。
コラーゲンやエラスチンの役割の一つとして、柱のように毛穴(毛包)を支えるというものがあり、これらが減ってくると、毛穴(毛包)の周囲が緩んでしまい、毛穴が大きくなってしまいます。
残念なことに、コラーゲンの量は25歳くらいを境に減少していきます。
また、その他の原因としては紫外線によるものもあります。紫外線はコラーゲンの量を低下させるだけでなく、コラーゲンの質も下げてしまうので、毛穴に対して紫外線は大敵です。したがって、日焼け止めをしっかり塗ってあげることが必要です。
ただ、現代では医学の力を使ってコラーゲンの産生を促進する美容施術があり、以下のものがあります。
- ケミカルピーリング(医療機関レベルで行うものに限る)
- ダーマペン
- フラクショナルレーザー
特にダーマペンは僕は過去に5回ほど受けていますが、明らかに毛穴が目立たなくなります。
格安でダーマペンと、毛穴の汚れを洗浄するハイドラフェイシャルをセットで受けることができる美容クリニックは下記で紹介していますので、興味のある人はご覧ください。
【体験記】ゴリラクリニックでダーマペンをやって評判どおりか確認してきた皮脂の過剰分泌
毛穴には必ず皮脂を分泌する皮脂腺があります。
皮脂腺からの皮脂の分泌によって毛穴の入り口が塞がると、物理的に毛穴が広がってしまいます。さらに皮脂が角質と混ざって角栓になって、これが酸化して黒くなるとブラックヘッド(黒ずみ毛穴)という状態になってしまいます。
この皮脂の分泌には個人差があり、また食生活の影響も受けます。
一般的には男性の方が皮脂の分泌が多いので、毛穴が目立ちやすい傾向にあります。
まとめ:毛穴とは?【イラストあり】
- 毛穴=毛包(医学的な呼び方)
- 毛包:皮膚の真皮から表皮を貫いて生えている毛を包んでいる組織
毛穴とは、医学的には「毛包」と呼ばれています。
毛包について簡単にわかりやすくいうと、髪の毛を作り出すための組織だと思ってもらえたらいいです。
この毛包には皮脂腺が付着しており、脇の下や陰部などではアポクリン汗腺も付着していて、これがワキガの原因といわれています。
そして毛穴(毛包)には「軟毛性毛包」「終毛性毛包」「脂腺性毛包」の3つの種類があります。
- 軟毛性毛包
(産毛が生えてくる毛穴のこと) - 脂腺性毛包
(短く、細い毛が生えている毛穴のこと) - 終毛性毛包
(髪やひげなど、太い毛が生えている毛穴のこと)
終毛性毛包は髪やひげなど、太い毛が生えている毛穴です。皮脂の分泌が多い場所です。ただ、太い毛が生えかわるときに皮脂も一緒に出ていくため、皮脂はつまりにくいといわれています。
この中でも皮脂の分泌量が多い脂腺性毛包は、毛穴の黒ずみや開きといったトラブルが起きやすい毛穴といえます。
というわけで、今回は毛穴(毛包)について、その断面図のイラストを用いながら図解でわかりやすく解説してみました。参考になれば幸いです。