体液とは?【細胞内液と細胞外液の違いも解説】

体液の種類

こんにちは、臨床工学技士の秋元です。

本記事では、人間の体重の約60%を占めている体液について、体液とはいったいなんのか、その種類(細胞内液と細胞外液の違い)について解説します。

ただし、年齢や性別によって体重に占める水分の量は違っていて、乳幼児では体重の70~80%、成人女性では体重の約50%、高齢男性では体重の約50%となっています。

体液とは?【細胞内液と細胞外液の違いも解説】

Body fluid

体液とは、私たち身体の中の液体成分のことです。

ちなみに、人間の身体の60%は水=H2O(ようするに液体成分ですので、体液という意味)でできています。

つまり、体液は体重の約60%を占めていますので、体重50kgの人だと体液量は30Lということになります。

体重50kgの人の体液量

  • 体液量:約30L

体液60%のうち、その2/3は細胞内液として、残りの1/3は細胞外液として存在しています。

体液という用語は、細胞内液と細胞外液のどちらを意味するのか、あるいは両方を意味しているのかは明確に決まっていません。

さらに細胞外液の3/4は間質に、残りの1/3(体重の約5%)は血管内やリンパ管内に管内細胞外液として分布しています。

つまり、人間の身体の体液は以下の3つに分けることができます。

体液の種類

  1. 細胞内液
  2. 間質液
  3. 管内細胞外液(血漿、リンパ液・髄液)

体液とは

体液の分布、血液、リンパ液、間質液

体液とは、私たち身体の中の液体成分のことです。

私たち身体の中の細胞内では様々な化学反応がおこなわれていて、体内で起こる化学反応のことを代謝といいます。

この代謝、つまり化学反応の場所となっているのは水です。ようするに、体液がベースとなっているということです。

ですので、私たち身体の中には体液が多いというわけです。

代謝については下記の記事で解説しています。

代謝とは?簡単にわかりやすく解説【エネルギー代謝と物質代謝】

体液の分類

Body fluid

体液は細胞の中にある「細胞内液」と細胞の外にある「細胞外液」に分類されます。

多くの教科書では、細胞内液量は細胞外液量の2倍としています。したがって、細胞内液:細胞外液=2:1です。したがって、体重50kgの人の場合、体液は30Lあり、細胞内に20L、細胞外に10Lあるということです。

また、「細胞外液」は細胞の周辺部に存在する「間質液」と、血管やリンパ管内にある「管内細胞外液」とに分かれます。

細胞外液は数億年前の海(今の海の1/3の濃さ)と似た成分でできているといわれています。

間質液とは

体液の分布、血液、リンパ液、間質液

間質液というと馴染みにくいかもしれませんが、要は細胞と細胞の間を占める水分のことです。

ちなみに、細胞の周辺部を「間質」といい、コラーゲン、グリコサミノグリカン、ラミンなどと呼ばれる間質成分があって、細胞を物理的に支えたり、水分を保持したり、細胞の保護・分化に関係しています。

浮腫とは、この間質液が増えた状態のことです。

間質液は細胞の周辺にある体液で、細胞と直接やり取りをしています。
つまり、細胞に栄養や酸素を供給したり、細胞がつくった二酸化炭素や老廃物を間質液は受け取っています。

リンパ液とは

リンパ液とは、リンパ管内にある体液で、間質液の一部が流れ込んだものです。

リンパ管は静脈に合流しているので、最終的にリンパ液は血液へと流れていきます。

体液の電解質の組成

体液の電解質

各体液での電解質の組成は違います。

これは、細胞膜が電解質の移動を制御して、細胞内外の濃度勾配を保持しているからです。

  • 細胞内液の主な電解質:K+、Mg2+、HPO42-
  • 細胞外液の主な電解質:Na+、Cl

細胞外液と細胞内液の境界である細胞膜は、水は自由に通過することができます。しかし、Na+やClなどの電解質は細胞膜を自由に通過できません。

一方の細胞外液である血漿と組織間液を分ける毛細血管の穴は、水やNa+やClなどの電解質に比べてはるかに大きいので、自由に移動できます。ただし、タンパク質は簡単には移動できないため、血漿と組織間液ではタンパク濃度に差があります。

身体の中の体液の分布【8:3:1】

体液の種類

 

体液の分布

  1. 細胞内液
  2. 間質液
  3. 管内細胞外液(血漿、リンパ液・髄液)

人間の身体の体液60%のうち、上の図のように、そのうち40%は約75兆個もの細胞の細胞内(ICF:intracellular fluid)にあります。

残りの20%が細胞外液(ECF:extracellular fluid)です。さらに、残りの20%分は間質液(15%)と管内細胞外液(5%)に分けられます。

体液の比率【8:3:1】の法則

体液の種類

  • 細胞内液(40%):間質液(15%):管内細胞外液(5%)
    = 細胞内液(8):間質液(3):管内細胞外液(1)

体液の分布を比率としてあらわすと、上記のように「8:3:1」となります。

ようするに体液は、細胞内液、間質液、管内細胞外液の3つのコンパーメントに分けられ、その比率は「8:3:1」です。

この「8:3:1」という比率は重要ですのでしっかりと覚えましょう!

管内細胞外液:血漿(4%)、リンパ液・髄液(1%)
細胞内液と細胞外液の比率は2:1です。細胞外液は間質液と血管内に大きく分かれ、その比率は3:1です。

体重に占める血漿の量は5%

  • 細胞内液(8):間質液(3):血漿(1)

教科書や文献によっては、上記のようになっていることもあります。

臨床的には上記の割合でもよいのかもしれません。

この場合、体重に占める血漿の量は5%となり、体重50kgの人の血漿の量は2.5Lとなります。

血漿と血液の量の違い

体重50kgの人の血液と血漿の量

  • 血液の量:約4L
  • 血漿の量:約2.5L

教科書的に血液の量は、体重の1/13、もしくは7~8%と書かれています。

体重の1/13で計算すると、体重50kgの人の「血液の量は約4L」ということになり、食い違いが出てきます。

しかし、先ほどの話では、体重50kgの人の血漿の量は体重の約4~5%ですので、「血漿の量は2.0~2.5L」ということになります。

ここまで説明すれば分かった人もいるかもしれませんが、違いは血液と血漿ということになります。

血漿というのは、血球成分を除いたものです。「循環血液量=血漿」ではありません。

ヘマトクリットを40%とすると、血液の約40%が血球ということになりますので、残り約60%が血漿です。例えば体重50kgの人であれば、血液の量は50÷13≒4.0kgとなります。血液1リットルの重さは約1 kgですので,この例では約4Lです。この血液量約4Lのうち、約60%が血漿ですので、血漿の量は約2.4Lということになります。

血液は、血球(赤血球、白血球、血小板などの細胞成分)と、血漿(液体成分)からできています。血算では血球について調べます。

血液の血球成分についてもう少し詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

【血液検査】血算とは?血算5種の項目・種類・意味・基準値について

男性と女性、あるいは高齢者では体液量が違う理由

  • 成人男性の体液量:約60%
  • 成人女性の体液量:約50%
  • 高齢男性の体液量:約50%
  • 高齢女性の体液量:約45%

体内に占める水分の割合は成人男性で約60%です。

しかし、女性や高齢者では体液量に違いがあります。成人女性では約50%、高齢男性で約50%、高齢女性で約45%といわれています。

女性のほうが水分量が少ない理由は、脂肪量が多いためといわれています。

脂肪に水はありませんので(油と水は反発します)。

一方、筋肉には水分が多く含まれているので、筋肉質な人は太った人よりも水分は多いです。高齢の人では筋肉量が落ちてくるので水分量も減ってきます。

まとめ:体液とは?

体液の種類

体液とは、私たち身体の中の液体成分のことです。

この体液は体重の60%を占めていますが、その種類としては「細胞内液」「間質液」「管内細胞外液」に分けられます。

なお、管内細胞外液には、「血漿」「リンパ液」「髄液」があります。

そして、これらの比率は下記のとおりです。

  • 細胞内液(40%):間質液(15%):管内細胞外液(5%)
    = 細胞内液(8):間質液(3):管内細胞外液(1)
    細胞内液(8):間質液(3):血漿(1)

 

 

というわけで今回は以上です。

 

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