中心静脈カテーテル(CVカテーテル)からの採血の方法・手技について

こんにちは、臨床工学技士の秋元麻耶です。

本記事では、中心静脈カテーテル(CVカテーテル)の採血の方法・手技について解説しています。

中心静脈カテーテル(CVカテーテル)について

中心静脈カテーテル

画像引用:早川美恵子,IVH(中心静脈栄養)カテーテル採血での薬物濃度の偽高値

中心静脈カテーテルとは、カテーテルを鎖骨下静脈などから上大静脈(あるいは下大静脈)の右心房近くへ到達させ、高濃度のブドウ糖溶液を投与するためなどに用いるもので、1本のカテーテルで、内腔(ルーメン)が、独立した別々の流路に分かれているものがよく用いられている。それぞれのルーメンは別々の流路と考えられているので、一方を点滴用、もう一方を採血専用として使用することがある。特に、頻回採血を求められる薬物使用の患者や、血管が細い小児などでは、採血ルートとして確保されることがある。

引用:早川美恵子,IVH(中心静脈栄養)カテーテル採血での薬物濃度の偽高値,2007,

中心静脈カテーテル(CVC:central venous catheter)とは、中心静脈(上・下大静脈)に留置する専用のカテーテルのことです。

1本の中心静脈カテーテル(CVカテーテル)の内腔は、それぞれ独立しているため、一方を点滴用、もう一方を採血用として使用してたりします。

中心静脈カテーテル(CVカテーテル)からの採血の問題点

中心静脈カテーテルからの採血は、何の検査のための検体かによる問題かによって多少事情は異なります。

理由としては、以下の2つの影響を受けることがあるからです。

  • 理由①:カテーテルから投与されている薬剤
  • 理由②:カテーテル内に付着している薬剤

ですので、末梢静脈から採血ができる患者さんであれば、無理に中心静脈カテーテルから採血を行う必要はありません。

そもそも中心静脈カテーテル(CVカテーテル)から採血してもいいのか?

中心静脈カテーテルは、移植前の大量化学療法やその他の薬剤の点滴投与、輸血、水分や栄養の補給のため、また造血幹細胞の輸注(移植)を安全に実施するために使用されます。採血をこのカテーテルから実施することもあります。

引用:一般社団法人 日本造血細胞移植学会,中心静脈カテーテルについて

日本造血細胞移植学会のホームページには、中心静脈カテーテル(CVカテーテル)から採血を実施することもある、と書かれているため、採血すること自体は問題ないと思われます。

ただ、施設によっては中心静脈カテーテル(CVカテーテル)からの採血を禁止している場合もありますので、その施設のルールに従いましょう。

中心静脈カテーテル(CVカテーテル)からの採血の方法・手技

それではここから中心静脈カテーテル(CVカテーテル)の採血の方法・手技をいくつか紹介したいと思います。

アメリカでよく行われている廃棄法

米国の成人領域で最もよく行われている方法に、廃棄法という方法がある。これは、検体用の血液をシリンジ採取する前に、まず血液を5~6mL吸引しそれを破棄するという方法である。実際は、シリンジを2本用意し、1本目を廃棄用血液を5~6mLシリンジで吸引した後、2本目のシリンジに交換し、そのシリンジで採血した血液を検体として提出する。1本目の血液にはカテーテル内に残っている薬物が混入しているとみなし、検体としては不適切とみなしているわけである。

引用:足利幸及,中心静脈カテーテルの閉塞トラブル-血栓による閉塞のメカニズムとカテーテルケアに焦点をあてて-,2006

アメリカでよく行われているカテーテルからの採血の方法は、廃棄法といわれているものです。この方法では、まず1本目のシリンジで血液を5~6ml吸引して廃棄した後、2本目のシリンジに交換し、そのシリンジで採血した血液を検体として提出するというものです。

この方法では、1本目の血液にはカテーテル内に残っている薬物が含まれているため廃棄して、検体としては不適切とみなしています。

標準法

標準法:タクロリムス持続静注ルートをクランプした後に、採血用ルート内の溶液を空シリンジで5mL程度吸引して破棄し、その後ルート内の血液を検体として採取した。

引用:中心静脈カテーテルからの逆流採血方法の差異とタクロリムス血中濃度測定の誤差に関する検討

※ 上記の例では、ダブルルーメンの中心静脈(CV)カテーテルの片側からタクロリムスの持続静注を行っています。

この方法は、アメリカでよく行われている廃棄法と全く同じです。

タクロリムス溶液を持続静注していない採血専用のルートから、1本目のシリンジで5mL程度の血液を吸引して廃棄した後、2本目のシリンジで検体用の血液を採取します。

フラッシュ法

フラッシュ法:タクロリムス持続静注ルートをクランプした後、まず採血用ルートを生食約5mLでフラッシュし、その後ルート内の溶液を空シリンジで5mL程度吸引して破棄してからルート内の血液を検体として採取した。

引用:中心静脈カテーテルからの逆流採血方法の差異とタクロリムス血中濃度測定の誤差に関する検討

※ 上記の例では、ダブルルーメンの中心静脈(CV)カテーテルの片側からタクロリムスの持続静注を行っています。

上記の例では、先ほどと同様に、ダブルルーメンの中心静脈(CV)カテーテルの片側からタクロリムスの持続静注を行っており、対側のルートから逆血採血を行う方法です。

このフラッシュ法は、採血用ルートを生食で最初にフラッシュし、カテーテル開口部付近にうっ滞していると考えられるタクロリムス溶液を洗い流します。それから1本目のシリンジで5mL程度の血液を吸引して廃棄した後、2本目のシリンジで検体用の血液を採取します。

標準法とフラッシュ法のどちらがいいのか

フラッシュ法はその元来の意図通り、CV採血時にカテーテル先端の開口部付近に局所的にうっ滞したタクロリムス溶液を生食のフラッシュにより洗い流し、採血用ルートへの混入を予防することができているものと考えられる。

引用:中心静脈カテーテルからの逆流採血方法の差異とタクロリムス血中濃度測定の誤差に関する検討

中心静脈カテーテルからの逆流採血方法の差異とタクロリムス血中濃度測定の誤差に関する検討」によると、標準法より、フラッシュ法のほうがタクロリムス血中濃度の誤差が小さかったとのことです。

ですので、ダブルルーメンの中心静脈カテーテル(CVカテーテル)の採血用ルートから採血をする場合、一度生食でフラッシュしたほうがよいと思われます。

 

というわけで今回は以上です。

 

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