こんにちは、臨床工学技士の秋元です。
透析中の昇圧薬として、ネオシネジン®を使うことがあります。
そこで本記事では、透析中におけるネオシネジン®の使い方を紹介します。
目次
透析でのネオシネジン®の使い方
- 1A(1mg/ml)+生食9ml
もしくは - 1A(1mg/ml)+生食19ml
ネオシネジン®には、1A(1mg/ml)の製剤と、1A(5mg/ml)の製剤がありますが、僕は1A(1mg/ml)のほうしか見たことがありません。
1Aが1mg/mlの場合、生食9ml、もしくは生食19mlで希釈して使う場合が多いです。
生食9mlで希釈した場合、ネオシネジン®の濃度は、1mg/10mlですので、0.1mg/mlとなります。
口頭で指示する場合、「ネオシネジン®1Aを生食で計10mlに薄めて」という感じになります。
透析中におけるネオシネジン®の持続投与量
ネオシネジン®の持続投与量は、医師に必ず確認しましょう。
ネオシネジン®の用法・用量
【静脈内注射】
フェニレフリン塩酸塩として、通常成人1回0.2mgを注射液そのまま、又は約10mLの生理食塩液、リンゲル液若しくは5%ブドウ糖液等に混入して静脈内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、その範囲は0.1~0.5mgとする。また反復投与を行う場合には、10~15分おきに行うこと。
フェニレフリン塩酸塩(ネオシネジン®)は0.1mgずつ使うことが多いです。
当院における透析中のネオシネジン®の持続投与量
当院では、ネオシネジン®1A(1mg/ml)を生食で計20mlになるように薄めて使用しています。
そして、透析中の持続投与量は3.0ml/h(0.15mg/h)から始めることが多いです。
それでもどうしても血圧が下がるようなら、4.0ml/h(0.2mg/h)、6.0ml/h(0.3mg/h)と徐々に投与量を上げていき、最終的に10.0ml/h(0.5mg/h)程度まで上げることがあります。
ネオシネジン®について
- 商品名:ネオシネジンコーワ注1mg/ネオシネジンコーワ注5mg
- 成分:フェニレフリン塩酸塩
- 分子量:203.67
ネオシネジン®は、フェニレフリン塩酸塩を主成分とする医療用医薬品です。
ネオシネジン®の作用機序【強力な血管収縮】
ネオシネジン® | |
---|---|
アドレナリン受容体への作用 | α1を刺激 (主に動脈系に作用) |
心拍数 | 減少 (血圧上昇に伴う反射) |
心収縮性 | 不変 |
心拍出量 | 不変、または減少 |
血圧 | 上昇 |
体血管抵抗 | 増大 |
肺血管抵抗 | 不変 |
前負荷 | ほぼ不変 |
ネオシネジン®は超強力に血管を収縮させて血圧を上げる昇圧薬です。
脱水などで循環血液量が少なくなっている場合に効果が期待できます。
また、ネオシネジン®にはβ作用がないため心疾患の患者でも扱いやすいという特徴があります。
ネオシネジン®の適応
- 各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧又はショック時の補助治療(注射)
- 診断又は治療を目的とする散瞳(点眼)
- 局所麻酔時の作用延長(注射)
ネオシネジン®の適応は上記のとおりです。
というわけで今回は以上です。
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