【DCS-100NX】透析の静脈圧警報について【自動設定警報・固定警報・フルレンジ警報】

こんにちは、臨床工学技士の秋元麻耶です。

どの透析装置でも必ず静脈圧の値が表示されていて、透析中は特に注意してみなければならない項目です。

もちろん静脈圧が異常に高いとかの異常で警報が鳴る!というのは皆さんわかっていると思いますが、実際にどれくらいの静脈圧で警報が鳴るのか、わかっている人というのは意外と少ないのではないでしょうか?

そこで本記事では、日機装社製のDCS-100NXの静脈圧の警報についてと、警報の設定方法について解説しようと思います。

【DCS-100NX】静脈圧の警報の種類【自動設定警報・固定警報・フルレンジ警報】

  • 自動設定警報
  • 固定警報
  • フルレンジ警報

日機装社製の透析装置の静脈圧警報には、自動設定警報、固定警報、フルレンジ警報の3種類あります。それぞれの警報は、静脈圧の変動の大きさで分けられています。

透析を安全におこなうために静脈側の血液回路の圧力を監視しています。この静脈圧によって、穿刺針が血管内に正しく留置されているか、回路内やダイアライザで凝血してないか、脱血は良好か、抜針してないか、血管が狭窄してないか、などがわかります。

静脈圧の自動設定警報

1.自動設定警報

「運転」または「停止」工程において、血液ポンプ運転開始1分後の静脈圧に対して、下限-30mmHg、上限+50mmHgに設定されます。上下限警報幅は変更可能です。

引用:DCS-100NX 操作マニュアル、10.5.2.2.静脈圧警報

日機装の自動設定警報は、1分後の静脈圧を中点として設定された上下限警報点をを超えた場合に発令する警報です。

例えば、警報点の設定値が±70mmHgで、中点が100mmHgだとすると、静脈圧が170mmHgを超えると自動上限警報、静脈圧が30mmHgを下回ると自動下限警報が発令します。

この自動設定警報は、以下のいずれかの条件で、一度、自動設定警報監視を解除し、その1分後に、そのときの静脈圧を中点として設定した上下限警報幅値で警報点が再設定されます。

  • 運転、もしくは停止キーを操作
  • 各警報のリセット操作
  • 運転中に除水速度を変更
  • 血流量設定器を操作
  • 各警報が発生

静脈圧の固定警報

静脈圧の固定警報とは、あらかじめ設定されている固定警報点を静脈圧が超えた場合に発令する警報です。

静脈圧のフルレンジ警報

静脈圧のフルレンジ警報とは、あらかじめ設定されているフルレンジ警報点を静脈圧が超えた場合に発令する警報で、急激な静脈圧変動時に発令します。

静脈圧の警報点を安易に変えてはいけない

静脈圧が頻回に鳴ってうるさい!こんなとき、確かに警報点を広げれば、警報は鳴りにくくなります。しかし、そのせいで本当に大変な異常(抜針など)があったときに警報が鳴らなければ、本当に危険です。

仮に、静脈側の針が抜けて警報が鳴らなかったとします。血液流量200ml/minでポンプが回っていれば、理論的に1分間で200mLもの大量失血です。3分間も経てば600mLの失血、患者さんの体重にもよりますが、心停止もあり得ます。本当に危険です。わずか3分で心停止にまでいってしまう可能性があります。

静脈圧警報の変更


  • 固定警報点の上限を300mmHg
  • 警報点限界点の上限を500mmHg
  • 自動警報の上限を400mmHg
上記のように、静脈圧の上限の警報点を変更した場合、実際に静脈圧の警報は『300mmHgを超えたとき』に警報を発します。

 

  • 固定警報点の上限を300mmHg
  • 警報点限界点の上限を500mmHg
  • 自動警報の上限を400mmHg
上記のように、静脈圧の上限の警報点を変更した場合、実際に静脈圧の警報は『300mmHgを超えたとき』に警報を発します。

 

  • 固定警報点の上限を500mmHg
  • 警報点限界点の上限を300mmHg
  • 自動警報の上限を400mmHg

上記のように、静脈圧の上限の警報点を変更した場合、実際に静脈圧の警報は『300mmHgを超えたとき』に警報を発します。

 

ようするに、いずれにしても静脈圧の上限の警報点の最小値の段階でアラームが設定されてしまうということです。

【透析装置の警報】静脈圧とは?-上昇と低下の原因-

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