【日機装 DCS-100NX】透析の前に行う配管自己診断ってなに?

こんにちは、臨床工学技士の秋元麻耶です。

本記事では、配管自己診断について解説します。

本記事は、日機装社製の透析用監視装置のDCS-100NXについての記事となります。

透析の前に行う配管自己診断ってなに?

配管自己診断のテスト項目 テスト内容
1.液圧センサテスト 配管内を大気開放にして透析液圧を確認
2.減圧テスト 密閉回路内が-200mmHg以下に減圧されるか確認
3.配管漏れテスト 減圧後、陰圧が保持(10秒間の圧力変化が10mmHg以内)されているか確認
4.除水ポンプテスト 除水ポンプを稼働して密閉回路から除水し、配管内が-200mmHg以下に減圧されることを確認
5.除水ポンプリレーテスト 除水ポンプが誤作動しないことの確認
6.CF漏れテスト 膜がエアーを通さない特性を利用し、ETRFの中空糸内側にエアーを充填し、加圧ポンプで中空糸外側に陰圧を発生させて-150mmHg以下まで低下することを確認。10秒後に陰圧が保持(-150mmHg以下、圧力差50mmHg以内)されていることを確認し、リークの有無を判定しています。
7.電磁弁締め切り検出テスト 電磁弁を開閉したときの締め切り検出器の電圧を測定し、電磁弁の動作を確認
8.バランステスト 複式ポンプを動作して透析液圧の変化を測定し、複式ポンプの吐出/排出のバランスを確認

透析装置内蔵の配管自己診断は、安全な透析治療を行う上で必要不可欠です。

配管自己診断のテスト内容としては、密閉系に関わる電磁弁、各ポンプ類の動作、液漏れなどをチェックしています。

なお、配管自己診断の項目の中にバランステストが含まれていますが、この配管自己診断のなかのバランステストに合格していても、実際に手動でバランステストをおこなうと、バランスが崩れている場合もあるので注意が必要です。

わかりやすくいえば、配管自己診断によって、密閉系、給液-排液のバランス(送液量と排液量が等しい)、除水ポンプ制御などを診断しています。とくに、給液-排液のバランスは重要で、このバランスが崩れると除水誤差の原因となります。ちなみに日機装では、バランスを制御する方法として、複式ポンプを採用しています。」

CF漏れテスト

CF漏れテストでは、ETRF(エンドトキシン補足フィルタ)のリークテストを実施しています。

エンドトキシンについては下記の記事で解説しています。

エンドトキシンとはなに?わかりやすく解説してみた 

配管自己診断が重要な理由

日機装社製の透析装置は、ダイアライザを含む透析液回路を完全な密閉状態とし、ダイアライザに供給・排液する透析液量を等しくしています。

除水は、その閉鎖回路から除水ポンプで引っ張りだして除水をおこなっています。

複式ポンプによる密閉容量差制御方式による除水制御については下記の記事で解説しています。

日機装の透析装置DCS100NXの複式ポンプの仕組みを解説【除水誤差の原因に】

そのため、閉鎖系と除水ポンプの精度管理は重要です。

したがって、配管自己診断では、透析液回路閉鎖系の動作チェックなどの自己診断を毎日実施しています。

血液系自己診断について

血液系自己診断では、血液ポンプと補液ポンプの動作(回転、停止、方向)、各クランプの開閉動作、各センサーの動作をチェックしています。

日機装 DCS-100NXでは透析中も監視している

日機装のDCS-100NXでは、除水ポンプ、複式ポンプ、電磁弁に電極をつけて、透析治療中でもポンプの吐出精度と、電磁ペンの締切動作をリアルタイムで監視しています。

 

 

透析装置内蔵の自己診断機能は安全な透析治療を施行するうえで必要不可欠な機能となった.

市販されているコンソールは,除水制御法に閉鎖式容量制御を用いているため閉鎖系と除水ポンプの精度管理は重要となる.そのため自
己診断では,コンソール起動時に透析液回路閉鎖系および血液系の各機構の動作チェックなどの自己診断を実施する.

閉鎖系の自己診断では,密閉系に関わる電磁弁や各ポンプ類の動作をチェックする

日機装は除水ポンプ,複式ポンプ,電磁
弁に電極をつけて治療中にポンプの吐出精度と
電磁弁の締め切り動作をリアルタイムで監視す
る除水精度連続監視システムを採用している.

 

配管自己診断にかかる時間

配管自己診断のすべてのテスト項目(1~8)を完了するのにかかる時間は、およそ30分です。

 

 

 

というわけで今回は以上です。

 

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